*「晴耕雨読その他いろいろ」(2017/8/9)投稿記事の修正転載です
「路地裏ビルヂング 三羽 省吾」で働くって何なのかねー、って思う(2017/8/9)
今回は読む前からバイアスかかってます。というのもだいぶ前に読んだ同じ作者の本がかなり面白くて未だに記憶に残っているのだ。普段はなるべく読んだことない人の本を借りることにしているが今回は意識して借りた。
でもってやっぱり面白かった。結構軽い感じの語り口でシビアな現実を書いたりするのだ。そのギャップが面白い。そんな調子で雑居ビルディングに入っている様々な会社に勤める人のストーリーが短編でもって並んでいる。で、テーマは働くってこと、だと思う。
我々は大抵働かなければならない。お金を稼ぐためだったりそのサポートだったり。そしてほとんどの仕事は何らかの形で人と関わる必要があり複数人間がいれば考え方も違う。なのでそこにストレスが生じる。常にノリノリで仕事してます!って人は珍しく良いこともあれば悪い事もある。
それでも、イヤだー、イヤだー、と言い続け週末を待つのはむなしい。だから色々考えるのだ。自分がやらなきゃ誰かが困る、だからプライドを持って仕事をするんだ! でも良い。そう思えることは素晴らしいことだ。
しかし、自分のやってる仕事は他の誰かでもできるんじゃね? 自分じゃなくても良いんじゃね? ってのがやっぱり気にかかる。っていうか、そういう発想の方が一般的で、新入社員一年生じゃあるまいし夢と希望と情熱を持って半世紀も働き続けるのはキツイ。
自分がやらなきゃ誰かが困る、ってのはレアな人向けの特殊解であってもっと普通の人向けの一般解が欲しい。しかしそれを誰かが見付けたって話は聞かないし、人間も仕事も様々だから一概には言えないのだろう。
この小説では色々な立場、考え方の人のそれぞれの仕事に対する態度が描かれる。その中から自分なりの解のヒントを探すのも面白いのでは。
例えば僕なんかは不動産会社の主人公の方法が気に入った。唯一無二の自分に与えられた唯一無二の仕事じゃない。それを知った上で、でもなお少しでも現状を良くするべく工夫する。
そんなもんでしょ、と斜に構えて澄ますのでも諦めるのでもなく。ちょっとした工夫で一歩踏み出す。何だかとっても人間っぽくて好ましい。
そう考えると仕事についての考えはそのまま人生について当てはまる。自分にしかできない仕事、ではなく自分にしかできない役割、でもない。だからといって悲観するわけでもなくどうするかが腕の見せ所。という調子で色々考えてしまう大変面白い本でした。
↓小説なんだから面白ければ何でも良いのですよ。

↓異国情緒はなぜエロいのか。結局わかんなかったけど、なんかエロい。



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