『気障でけっこうです 小嶋 陽太郎』が苦い苦いあのワイン

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2023/2/10)投稿記事の修正転載です

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「気障でけっこうです 小嶋 陽太郎」が苦い苦いあのワイン

ストーリーが気障でけっこうです、でテーマが成長。キャラクターは変な女子高生。この微妙な成長の感覚をあらわすのって超難しいよね、って思いました。

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今思い立った

たった今、突然思い立った。僕はいつも当たり障りのないことしか書かない。素人がプロに向かって生意気言えない、なんて思ってるからですよ。でもそれってあまりよろしくないよね。僕的にここはイマイチ、ってのはわりとはっきり言うべきじゃね?

ということでまず気になったポイント。その①、話がなかなか進まない。インパクトのある出だしだが、ストーリーが進むのが後半になってから。いつまでたっても本題に入らず出し惜しみ感がある。

その間読み進める原動力となるのは文章の面白さ。森見登美彦とかに通じる、ちょっと不思議にズレたようなやり取りが魅力的。でもそれだけってたぶんキツイ。途中で挫折した人も多いのでは。豪快にすっ飛ばすか、もっと本筋をからめるとかのほうが僕好みでした。

その②、怠惰であることの難しさ。これはもうどうしようもないと思う。僕がこの本で勝手に考えたテーマは成長。それもガラリと変わるのではなく、ちょっと違うよ、的な。ワインとかタバコみたいに苦みをともなう感じのやつ。清志郎も言ってたでしょ。成熟したのは苦いワインなわけだ。

成熟とか言い始めると死ぬまで僕らは熟成中なわけだけど、どこかに変化点を求めるなら苦いワイン。じゃあ変化前は何か? 口ばっかりだったり、文句ばっかりだったり、理想ばっかりだったり、ともかく行動しないのがよくあるパターン。この話では怠惰だ。

怠惰は難しい。僕も怠惰だから共感できるよ。共感できるけど、面白く書くのがムズイ。怠惰で面白いのは椎名誠とか北山賢太とか。あのレベルなわけだ。これはムズイ。特にビニールラーメンはすごかった。

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成長っていいよね

そもそも成長前の人間はたいてい面白くない。なので成長をテーマにする場合には成長前も面白くないとやたらハードルが高くなると思ってる。普通の人間が普通に共感できる程度ではよほどの達人でないと面白くできない。

普通の人間が引くほど成長前状態がぶっ飛んでるとかならわりといけそうじゃね? さいわいにもこの本では文章が面白いからいい。でもやっぱり普通の怠惰さでは難しいなぁ、なんて思いました。

ここまで文句を言っておいてなんだけど面白かった。やっぱり成長ものは面白い。人間の二大楽しみだと思ってます。それもあんまり派手な成長は返って現実感がなくなって興ざめ。このくらいの、あ、ちょっと髪切った? くらいがいい。

気障だね、って言われて慌てて否定するのではなく、気障でけっこう、って笑って応えられる。それくらいの苦みと余裕が好ましい。今回も生意気書いて考えて、面白い読書でした。

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