興味アリアリ
書評集らしい。でも書評ってよりは、本の話を枕に持ってきたエッセイみたいな感じ。……同じことを最近別の本で書いた気がするし、そもそもこのブログ自体がそんな感じだ。ってことでプロが書いたらどうなるか興味アリアリなのですよ。

垣間見えます
「本の話を枕にしたエッセイ」はあまりないのでは、と考えていたが、わりと一般的なのかもしれない。下記『だいたい夫が先に死ぬ これも、アレだな 高橋 源一郎』を読んだ時もそのタイプだと思ったし。

考えてみたらあとがきなんて結構そんな感じだ。真面目に文章を引用して文学的考察あれこれタイプも確かにある。でも作者との交流を披露して「〇〇さんはこんな人」、「この辺りの表現はとても〇〇さんっぽい」ってタイプもよく見かける。
雑誌で本の紹介をする際にも同じことが言えるだろう。こっちは明らかに読んでいない人向けなので、引用にも気をつけなきゃいけない。単純なあらすじならAIにお願いした方が安上がりだろうから、今後ますますエッセイ要素が増えそう。
本書『本当のことしか言ってない』にはあとがきや紹介文の転載が多いので、だとすると「本の話を枕にしたエッセイ」スタイルになるのはある意味当たり前か。なるほど納得。でもってそこから著者の文学に対する考え方が見えてくる、ってあたりが面白ポイントじゃね?
ということでファンなら必見。あるいは僕みたいにそれほどでもないけどー、な人にとっても、プロの考えを垣間見られるのは面白い。自分はこう考えるんだけど、この人は別だなー、あるいは同じだなー、みたいな。
納得と疑問と
上の方で「僕みたいにそれほどでもないけど―」と書いたけど、いちおう読んだことはあるのですよ。『猛スピードで母は』の印象が強くて、ちょっと前に読んだ『太陽はひとりぼっち 鈴木 るりか』でも似てるなー、とか考えてた。


『猛スピードで母は』は明らかに変人小説であって読みやすい。かと思えば平凡で逆に怖い、テーマ重視の『トゥデイズ』なんかも面白かった。こういう振れ幅の大きい人が、文学についてどう考えているのか?ってのにはやっぱり興味津々。

なるほどなぁ、と思ったのは「輪ゴムとかクリップとかそういうもの」という表現。僕はわりとポケットの中にいろいろ詰め込むタイプの子どもではなかった。でも一般的に男子のイメージと言ったらポケットの中ぐちゃぐちゃなのかも。
しかしよくよく考えるとちょっと違うな。男子イメージはセミの抜け殻や駄菓子屋のアタリだ。輪ゴムとかクリップって大人じゃね? そう思えば僕も捨てられずに机の中のとかいろんな場所に溜まっていく。ということでこれは納得半分、疑問半分。
逆に全然違ったのがSFに対する印象。「人間の弱さ」についての言及が出てくるけど、僕はSFから強さ、しぶとさを強く感じる。こっちの方が一般的? どうも弱さの方は人類全体としての話っぽくて、強さは個人的なスケールだから、尺度は全然違うのかも。
『四とそれ以上の国 いしい しんじ』を読んで思ったんだけど、SFは生物系教育番組に似ている。こんな過酷な環境でも、生物はしっかり順応して、タフに生きてますよ!的な番組。もちろんSFにはストーリーがあってそっちメインなんだろうけど、タフさに目が行く人も多いんじゃね?

あと個人的に面白かったのがブログに対するあなどり。漫画やゲームに対する態度は寛容、というか大好物系に見えるけどブログはそうでもないらしい。パソコン通信とかやってたらしいのにどうして? とも思うけど、そもそも昔の話だから今はどうだか知らない。
などと今日も芥川賞作家に対してあれこれ生意気言って満足。それにしても『猛スピードで母は』の文庫表紙はたしかに全裸だ。しかしあれに不謹慎さを感じる人いないんじゃね? そんな人がいるとしたら、棟方志功とかにも苦情の手紙書くのかね?


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