*「晴耕雨読その他いろいろ」(2018/1/3)投稿記事の修正転載です
「田舎でロックンロール 奥田 英朗」は音楽的な描写が面白かった(2018/1/3)
正直言うと小説と間違えて借りた。元々は小説に拘らずエッセイも好きだし歴史、生物、住宅事情、料理、雑学、その他諸々のノンフィクションも読む。しかし最近は小説を書くことを目的に意図的に小説ばかり借りている。
この本は表紙からして小説っぽいし、ロックとの出会いを通じて少年の青春を描く‥、とかありそうな話ではないか。実際作者はそれで小説を書いているっぽい。でもこの本はエッセイなのだ。でも実は僕にとって何の問題もなかった。ストーリーがロック大好き中学生日記テーマが70年代ロック。
確かにエッセイだが当時のエピソードが多くそれで十分に楽しめる。あと描写が独特なのが良い。作者はロック大好きが高じて音楽評論家を目指していたとか。なので描写がそれっぽく音楽評論などに縁がない僕にとってとても面白く感じた。
考えてみれば当然か。一言で言い表せない状況を共感が得られるよう表現する小説の描写と音楽の描写は通じるものがある。でもって音楽の方は視覚に頼れない分新鮮で面白いものになるのでは。正直ロックの事はさっぱりわからない。だから誰がどうしたとか言われてもまったく理解できない。
でもまあ大抵小説ってそんなもんである職業やスポーツの事を言われても細部まで理解できる人は少ない。それでも主人公が喜んだり悔しがったりに共感する。別に経験がない分野でも自分の事に置き換えてそうそうそんな感じ、って思える部分があるからだろう。
多分分野は違えど根っこの部分は似たようなもんなのだ。この本はエッセイだから分からない単語がお構いなしにガンガン出てくる。なのでそこら辺の置き換えが苦手でロックにも別に興味がない、って人には面白くないだろう。
それでも聞きやすい分野から入って徐々に難解な分野に進みメンバーの名前で選ぶようになる、なんて辺りは小説も映画もその他様々なジャンルで同じでは。カタログ好きだってオトコには多いって言うし。
例えば僕と同じ年代の作家が若い頃を振り返った時、当時はエアマック狩りというのがあって‥、とか当時はゲームが抱き合わせで売られていて‥、とかそんなエッセイを書くのかも。等と考えながら読んでいたが気になることが一つある。
巻末についている短編小説よりエッセイの方が生き生きとしていて面白いことだ。読者に分かりやすく書いた小説より分からない読者は置いてけぼり、分かる奴だけ着いてこい!的なノリで書いた方が勢いがあるのは当然と言えば当然か。
僕には残念なことにここまでのめり込んだものはない。なので作者を羨ましく感じるし自分は随分怠惰だと恥じる。間違って借りたけど久し振りのエッセイは非常に楽しいものでした。
何も知らなくても楽しめたのだからきっと70年代当時を知る人には楽しいに違いない。その年代の人やマニア道にハマった経験のある人におススメの本。
↓どうしようっかなー、って迷いなしに乗れる波に出会えるのってラッキーだよね。

↓理解あるっぽいんだけどどこかズレているのが魅力。

↓親方ー! 道端にイケメンが転がってるー!



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