『手紙 東野 圭吾』で想像力の欠如と強化についてアレコレ考えた

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すべては想像力

テーマが想像力でストーリーがとばっちり日陰人生、キャラクターが翻弄される人。マジでこういうのって切ないよね。どうしようもないけど、どうにかしないといけない。「繋がり」も気になったけど、それもまた想像力の産物ってことで。

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想像力の欠如

あまりにも良い話で意外だった。東野圭吾といえば個人的に『あの頃ぼくらはアホでした』。最高に面白いがシリアスとは程遠い。あるいは『マスカレード・ホテル』みたいなエンターテイメントなイメージが強かったもんで。

「あの頃ぼくらはアホでした 東野 圭吾」でアホの可能性に驚愕
「あの頃ぼくらはアホでした 東野 圭吾」でアホの可能性に驚愕。東野圭吾はわりと普通、特別だったのはタイトル通り「アホ」なんだと思う。果てしないアホさ加減と、せっかくだからと手を伸ばす貧乏性が可能性を広げ、ヒット連発の地盤になったんじゃね?
「マスカレード・ホテル 東野 圭吾」が面白くないはずない
「マスカレード・ホテル 東野 圭吾」が面白くないはずない。ストーリーが反発バディものでテーマが仮面、キャラクターがキムタク。昔ながらのミステリーを読みたい、でも本当に昔のはちょっと……、というニッチ層の駆け込み寺が東野圭吾なんじゃね?

『架空犯』も『誰かが私を殺した』も面白かったけど、どちらかといえばアイディア勝負な人だと思っていた。今回読んだ『手紙』に奇策は一切なく、ただただ現実を突きつけるのみ最後はキレイに終わるが、それもまた一例であり答えなんてないんだと思う。

「架空犯 東野 圭吾」が横綱相撲で驚愕|実力者のみに許された渋さ
「架空犯 東野 圭吾」はストーリーが渋い刑事ものでテーマが執念、キャラクターは普通の刑事。イマドキの派手なミステリーに、どうにも馴染めない層を積み重ねた実績で取りに行くという横綱相撲。ベースにイマドキミステリーを持ってきてるのもすごい。
『誰かが私を殺した 東野 圭吾』はゲームみたいな立場変化が面白い
『誰かが私を殺した 東野 圭吾』はゲームみたいな立場変化が面白い。社長なんていったら立場は複雑だろう。良かれと思って頑張った結果の悲劇って超悲しいよね。強くなければならない立場もわかるけど、弱みを見せても良かったのでは。

そんな中、まず最初にお兄さんの想像力のなさが気になった。もちろんこんな大それた事は経験ないが、些細な事なら身に覚えがあり過ぎる。明日も会社なのに夜更かし、体重増えてきたのに間食、面倒くさいから手抜き歯磨き、などなど。

なので手放しでお兄さんを笑えない。事の大小はかなり違うが、根っこは同じ。ちょっとしたことであり破滅とまでは行かないが、QOL的なアレを着実に下げるものは身の回りにたくさんある。誰もがそんな罠にすっぽりハマってそう。

積もり積もるとどうなるか? ……今度奥歯を抜くことになりました。長年の手抜き歯磨き&歯医者検診ハガキ無視の結果です。即効性はないもののツケは払わなければならない。逆に言えば一括支払いでない分、気が付くととんでもない額になってるから怖い。

これを回避する方法はやっぱり想像力だろう。想像力をフル活用して、このまま行くとどうなるか、上手くいけばこんな感じ、最悪こうなって、平均はここ、などと想像したい。でもってメリットデメリットを図るわけだ。

……しかしどうも違う。お兄さんは弟を思いやって甘栗が気になったりして、しっかり思いやりがある。つまり想像力がない、ではなく想像力がおよぶ範囲がやたら狭かったんじゃね? これはムズイ。どうやって広げるの?

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答えは繋がり?

自分の周囲なら想像しやすい、しかし見知らぬ他人周囲は想像しにくい。これを補うのが法律なのかもしれない。見知らぬ他人を殺す⇒捕まって自分が犯罪者になる、なので見知らぬ他人から自分へと対象を転換できる。

ただしこれだと「捕まんなきゃいいじゃーん」となる。それじゃあ困るのだよ。この辺りが法律の限界なんだと思う。だからこそ警察は頑張って犯人を捕まえようとするが、そもそも明るみに出ない犯罪は捕まえようがない。

想像力の範囲を広げる別の方法が「繋がり」なんじゃね? 「繋がり」を意識すればするほど、自分とごく近い人との「繋がり」から、見知らぬ他人とごく近い人との「繋がり」を類推しやすくなる。さらにフィードバックがかかり、「ごく近い」⇒「わりと近い」となれば範囲はどんどん広がる。

どんどん広がれば、『アドラー心理学入門 岸見 一郎』みたいな共同体を形成するかもしれない。あるいは『リーダーは「戦略」よりも「戦術」を鍛えなさい 加来 耕三』であれこれ考えたみたいに、戦術領域に含まれ強くなるのかもしれない。

「アドラー心理学入門 岸見 一郎」でスロースタート|入門しにくい
「アドラー心理学入門 岸見 一郎」は門をくぐりにくい入門書。「嫌われる勇気」の方がとっつきやすくて入門っぽい。総論で興味を持った人も含め、続く二章で離れた人もいるのでは。ここを越えると興味深さが加速し、続きを読みたくなる感じに変化します。
『リーダーは「戦略」よりも「戦術」を鍛えなさい 加来 耕三』
『リーダーは「戦略」よりも「戦術」を鍛えなさい 加来 耕三』は戦略優位という一般的認識に反する興味深いタイトルですな。なんだけど戦略と戦術の違いが気になってしょうがなく、ガッツリ読書に集中できたわけでないのですよ。ということであれこれ妄想。

目指すは「心の欲する所に従えども、矩を踰えず」だ。何もこれは中国に限ったことではない。インド人も昔から知ってた。『人生の扉を開く最強のマジック ジェームズ・ドゥティ』他様々な本によれば、瞑想は感謝も含むっぽい。僕は雑念が多くて全然そこまでたどり着かないけど。

『人生の扉を開く最強のマジック ジェームズ・ドゥティ』は山菜採り
『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック ジェームズ・ドゥティ』はスピリチュアルを科学的に解明しようとするめっちゃ好みのスタイルでした。個人的な解釈としては山菜採り。山菜を手に入れた幸せな自分を思い描く本ですよ。

「繋がり」を鍛えようと思ったら当然基礎練習は日常会話。さらにはライン、メール、手紙だろう。……なんか最近似たようなことを書いたと思ったら『三島由紀夫レター教室 三島 由紀夫』か。思いやりが大切なのですよ。

『三島由紀夫レター教室 三島 由紀夫』の山トビ夫みたいになりたい
『三島由紀夫レター教室 三島 由紀夫』はストーリーが手紙のやり取りでテーマが思い遣りだろうか。となると何だか堅そうな面白味のないものになってしまいそうだがそこに自分と相手の好みが入る。手紙と思い遣りは正のフィードバックがかかりそう。

でも「繋がり」は目に見えるものでもないから結局想像でしかない。そうすると卵と鶏みたいんだけど、両者を循環させれば強化できそうな予感。……ミもフタも無いこと言うと『アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2 加藤 俊徳』みたいな欲求主導の脳トレだよね。

アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2 加藤 俊徳
『アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2 加藤 俊徳』の主役はズバリ欲求。欲求とうまく付き合ってエネルギーにしようってのが主眼。そのために欲求の探し方、育て方が書いてある。そう考えると話の持って行き方が1と2では異なるっぽい。

世の中どんどん想像力不足になってきている気がする。闇バイトも、不登校も、僕の抜歯も、想像力の欠如がなせる業。……ひょっとして世の中の変化が早くて想像力が追い付かない? だとすると人類が大型哺乳類を絶滅させたみたいに、今度は僕らがやられる番かも。

そこらへんはもう個人個人で対処するしかない。想像力を強化して、せめて可能性を天秤にかけたい。わかっちゃいるけどやめられないならまだしも、ノー検討で失敗は避けたい。などとあれこれ考えさせられる良本でした。

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