*「晴耕雨読その他いろいろ」(2022/4/29)投稿記事の修正転載です
「リトル・バイ・リトル 島本 理生」がサトリ覚醒前夜(2022/4/29)
ストーリーがサトリ覚醒前夜物語でテーマがサトリ。我ながら見当違いだと思うけどいつものように僕はそこが気になった、ってことで。
いきなりスイッチオン
主人公の行動の中で最も違和感があるのが恋人との出会い。基本淡泊なんだけどそこだけ積極的。母親がびっくりするほど積極的。この違和感は小説としての問題か? そうとも思えない。好意的に考えすぎかもだけど、そういうことってある。いきなりスイッチオン、みたいな。僕だってそうだ。
恋愛にそれほど興味持てなくて結婚しないんじゃね? とか思ってた。でも今はしっかり既婚者。そんな調子で突然スイッチが入ることがある。主人公もそうだったのでは。何で? って考えると顔しか思いつかない。相手も……、やっぱり顔? 所詮世の中顔なのか。そう思うと悲しくなるけど。
お話的には、一事が万事、この調子で察しなければならないのが大変だった。気をまわして考えて、こうじゃないかな? って察する必要のある小説。察すると面白いんだけど、わりと面倒。好きな人にはたまらないんだと思う。私、察しちゃいました! って大喜びできる。
実際にわかった時は楽しい。外れてようがどうだろうが、自分で納得できる解釈は誰が何と言おうと自己満足。なんだけど僕としてはもうちょっとわかりやすい話のほうが好みだった。根が単純な人間なもんで。
サトリ世代の限界
サトリ世代は無欲な世代。1987年から2004年生まれだってさ。不景気しか知らないから最初から諦めてる、ってイメージ。きっとサトリには限界がある。サトリきれない問題、あきらめられない問題が出てくる。わかっちゃいるけどやめられない、の世界ですよ。
その最たるものが恋愛じゃね? これはもちろん小説の題材になる。ダメだと知りながら惹かれる不倫とか、終わったはずなのに再燃とか世の中そういうの大好き。でもきっとそれだけじゃない。最近やたら若いスポーツ選手とかが活躍するのってこれと関係あると思う。
彼らはかなり早い段階で、サトリきれない分野を見つけたのでは。どうせ無理だよ、と思いながら、あるいは周りからの雰囲気を感じながら、どうしても諦められないものに突っ走った結果なんじゃね? そんな気がしてます。こうなるとサトリは強い。
景気が良い時代を知っていて望めばたいてい手に入った人間に比べて、基本諦めてきた人間はバネがありそうだ。ちょっと違うけどハングリー精神的な? ハングリー精神っていうとさらに昔、本当に物がなかった時代。それと同じ力を覚醒したサトリ世代は使えるのかも。
そう考えるとサトリ覚醒はアリな気がする。……最初いろいろと文句を言ったわりに今日もまた妄想が広がって自己満足。ってことは良い本だったってことだ。あ、もちろん普通に読んでも面白いよ。
どうでもいいけど、この人の話ってこれまで三つくらい読んで全部こんな感じだった。諦めてたけど……、みたいな。作者自身の大きなテーマなのかも。でもって後の方が確実に上手い気がする。
↓めっちゃ面白い。こりゃ売れるはずだわ。

↓2冊目のAI聞き書きは実用書ですよ。

↓潔いって羨ましい。僕も潔くなりたい。



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