*「晴耕雨読その他いろいろ」(2022/4/22)投稿記事の修正転載です
「誰にも書ける一冊の本 荻原 浩」がリアル(2022/4/22)
ストーリーがオヤジやるじゃん物語でテーマがひとに歴史あり。たいていの人の一生は面白い話になるのだと思う。中でも、この年代の人は格別だよね。
タイトルのとおり
普通は波乱万丈の人生を送った偉人が伝記になるわけだ。こういう人の一生は赤の他人が見ても面白くて、ためになったりする。一般人の一生なんて誰も小説にしてくれないし、たいていの人は自分で書くこともできない。それでもやっぱりいろいろある。
ということでまさにタイトルのとおりだと思う。誰の人生だってそれなりに波乱があって書きようによっては面白小説になる。正直、親の若い頃なんてよく知らない。そもそも若い頃があったなんて信じられないくらいだし、細かい事件とか知識ゼロ。
特に恋愛関係がそうじゃね? でも年頃の人間にはほぼ確実にそういうのあったはず。ありきたりの出来事だって原因があって結果がある。その後に大きな影響を与えてたりする。それを文章で読むとなると興味深い、……より先に親の話だったらやっぱり気恥ずかしいか。
一冊の本は完結するか?
主人公のお父さんは平均から比べると波乱にとんだ人生を歩んだような気がする。それとも昔の人ってこんな感じ? いずれにせよ、読みごたえのある面白い一冊の本だったんだと思う。なんだけど、ひとつだけどうしようもない問題がある。それは結末だ。
だいたい偉い人の話はふたパターンある。ひとつは志半ばにして非業の死をとげる。しかし彼の意志は後世に引き継がれ、大きな礎となった……。 ~完~ っていうパターン。織田信長とか坂本龍馬とかがこれ。
こりゃまあ劇的だよね。終盤盛り上がってカタルシス的に終わるって点でも小説と相性よくね?
ふたつめは功成り名遂げて大往生。晩年の彼は穏やかに余生を過ごし、たくさんの子供や孫に囲まれ静かに息を引き取った……。 ~完~ っていうパターン。徳川家康とか比較的最近の人がこれ。劇的さでは劣るけどこんなもんじゃね? っていうか自分が選べって言われたら絶対こっちでしょ。
普通の人はどっちも無理だ。どっちかって言ったら後者に近いパターンが多いだろうけど、なにしろたいしたことしてないし。非業の死が劇的になるほど一大事業に取り組んでるわけではない。功成り名遂げるほどの偉業を達成するわけではない。
彼は定年まで仕事を勤め上げると、ぬれ落ち葉となって妻にウザがられた。ある日何もないところで転び、寝たきりとなり死亡。……こんな感じじゃね? 願わくば介護が必要な期間が短く、あんまりボケたりもしないでまわりに迷惑かけないで死にたい。
これがリアル。リアルだけどお話としては完結しない。
未完で良くね?
でも、逆に未完で良い。未完が望ましいと思う。伝記になるような偉人だって本人的には死ぬつもりなかったと思う。非業の死の場合は特にだし、大往生だって心残りはあっただろう。後世の人が勝手にまとめてイイ感じに終わらせただけで本人に言わせれば未完。
同じように一般人の一冊も未完、それでいいと思う。逆に完結しちゃったらどうよ? そもそも物事に区切りはあっても終わりはあんまりない気がする。そのひと公認の完結は、つまりある程度の諦めを含むんじゃね? それこそ死な気がする。
まだ生きてるけど、自分はここまで、って悟って余生を過ごす。物理的に生きてても死んでね? それよりだったら未完が良い。死ぬ直前までああでもないこうでもない、ってして未完のまま死にたい。
今日も余計なことを考えて満足。個人的には葬儀屋のあたりが最高に面白かった。上記の理由で結末も良かったし。面白くて、考えさせられる良い本でした。
↓僕はせっかちでケチだから散歩下手。

↓大事けど難しい、それとも、大事だから難しい?

↓環境遺伝は強い味方だけど、敵に回すと恐ろしい。




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