めっちゃタイムリー
図書館で『バカの壁 養老 孟司』のすぐ隣に並んでいた。興味津々テーマなんだし借りないわけにはいかないでしょ。今読むとめっちゃタイムリー。それもここ数日レベルでタイムリー。何でもやっちゃった結果の個人情報流出であり、サイバー攻撃なわけだ。

高級な文房具
『バカの壁』は確かに面白かった。もちろん専門的な知識も面白ポイントだったんだけど、養老孟司の個性の方がもっと光ってた気がしないでもない。ということで本書『AIの壁』も当然の如く面白いに決まっている。

最近、一時期ほど反AIの声を聞かない気がする。もう皆慣れちゃったんだろうね。ちょっと前まで色んなところで「いらすとや」のイラストを見かけたけど、少なくなった気がする。代わりにAIに書いてもらったっぽいイラストを多く目にする。テレビなんかでもそうだよね。だとすると中々叩けない。
ネットだってテレビだって昔は叩かれてた。何でもそうだったに違いない。たぶん文字とか農耕とかも叩かれてたんじゃね? 考えた結果メリットがわかった! ってよりはナシ崩し的にみんな使っている。僕もAIに本書いてもらってるしー。

AIに対する僕のイメージはこの本に書いてある通り「高級な文房具」です。その昔、文房具屋に行くとショーケースの中に高い万年筆や電子辞書なんかが並んでた。あれの延長線上にあると思ってます。それ以上でも以下でもないよね。
似たような感じがパソコンだったんじゃないかと思ってます。さすがにパソコン導入時のリアルタイムは知らないけど、何人かに1台⇒1人1台の流れはギリギリ体験している。おそらくパソコンのときも「仕事を奪われる!」とか「世の中がひっくり返る!」なんて言ってたんじゃね?
一夜にして世の中がひっくり返ったわけじゃないけど、ゆっくり着実に変わっている。僕なんかパソコンのない仕事もプライベートもイメージできない。AIも同じだと思う。なんだひっくり返んないじゃん⇒後で気付けば大きく変わってた、みたいな。
割り切って考えればこれほど便利な文房具もない。僕のAI聞き書きなんて目じゃないレベルで役に立つ分野は壁打ちだと思う。『壁打ちは最強の思考術である 伊藤 羊一』の記事に書いた通り、壁打ちは超恵まれた環境でしかできない。普通の職場や家庭では誰も相手してくれない。

慣れれば一人壁打ちができるんだろうけど、客観性を身に着けるのはかなりムズい。でも協力してくれる他人がいない⇒終了、というのがこれまでの流れだったと思う。しかしAIは相手をしてくれる。……こう書くと寂しいおじさんみたいだけど、AIはかなり優秀な壁打ち相手じゃね?
残念ながらAIはまだそこまで賢くはない。文脈を理解する能力がイマイチで、聞き方を工夫する必要がある。しかし日進月歩だろうし、何時でも、どれだけでも相手をしてくれる点で、AIは最強の壁打ち相手だ。
ということで、この高級文房具をどう使うかで個人レベルでも社会レベルでもわりと世の中変わると思う。なるべく良い使い方をして、良い毎日を送りたいし、良い世の中になってほしいなー、なんて思ってます。
デメリットでかくね?
と思ったんだけど、ここ数日デメリットがすごいよね。2026年10月末現在、AIが関わってるっぽい色々な個人情報流出、サイバー攻撃の話を聞く。それこそ『AIの壁』に書かれている「できることは何でもやっちゃう」だよね。
これだと今のところ割に合わない。AIのメリットはまだまだ限定的で、社会の最新技術として検討されたり、僕みたいなおじさんが趣味で使ったり程度。仕事では資料が楽に作れる―、とかプログラム書いてもらったー、とか嬉しいけど、そこまで決定的なイメージはない。
それに対して、デメリットはサイバー攻撃の増加。金銭的被害はバカでかいし、下手すりゃ戦争に発展しかねない。場合によっては世の中全体にとって致命的と言えるかも。どうもメリットに対してデメリットが大き過ぎる。
これっておそらくプラス利用が慎重なのに対し、マイナス利用が無法だからだと思う。人権とか著作権とかの関係で中々進まないプラス利用に対して、そもそもルールガン無視のマイナス利用は動きが超早い。もちろん同じ構図は昔からあった。
法律を守らなければならない警察に対して、犯罪者はルールに縛られないから、イタチごっこが繰り広げられる。対策として壁が立てられ、抜け道が探られ、また壁が立てられ……、という具合で延々と続く。IT関係はイタチごっこのスピードがめっちゃ速いんじゃね?
スピードが速い場合、守る側よりも攻める側が有利な気がする。守る側が古い壁の抜け道を塞いでいる間に、攻める側は新しい壁の抜け道を探し当てるんじゃね? スピードが臨界点に達した時、新しい壁を立てるリソースが失われてある一定スピードに収束するのかも。
だとしたらまだ良いんだけど、スピードが臨界点に達した時、壁の中にある大事なものが破壊される、とかだったら嫌だな。世の中が崩壊するほどの致命傷を負うわけだ。たとえば銀行とか証券会社がハッキングされて、残高が書き換えらたりすれば大混乱だ。
そう考えるとコロナ禍の終末感を思い出す。コロナ禍は一応過ぎ去った。そういえば東日本大震災も同じように終末感ヤバかったけど、その後も世界は続いた。こうやって何度か危機を乗り越えて、喉元過ぎた頃に致命的な問題がおこって世界は破滅するのかなー、とか思った。それが今かも。
ということで上の方で「パソコンのときと同じじゃね?」的な事を書いたけど、それは誰にもわからない。パソコンの時と同じように、すぐには仕事は奪われないのかも知れないし、ある日突然失業者があふれるのかも。
あれこれ色々考えてもしょうがないかもしれない。しょうがないかもだけど、危機を想定しないで寝耳に水は避けたい。まずAIの発展は確実だと思っているので、この高級文房具をどうやって使いこなすのか、自分なりに考えてみます。


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