*「晴耕雨読その他いろいろ」(2018/3/30)投稿記事の修正転載です
「森のなかのママ 井上 荒野」は皆大好きダメ大人小説
ストーリーはダメ大人の不思議な日常でテーマはママ。主人公が第三者的な小説は多い。推理小説なんて大抵そうで探偵と怪盗の頭脳戦を語るストーリーテラーとか。ある競技の天才を見守る普通人とかもありそうな設定だ。
しかし大抵の場合主人公なんだからそこそこ尊重され物語の重要なカギを握っていたりする。俺は普通の人だから‥とかいじける主人公に向かって天才が優しい言葉をかけたりする。しかしこの小説では主人公がガン無視される。別にリアルで無視されるのではなく相手にされない。
他の登場人物が大人過ぎて主人公を子ども扱いするのだ。そういう場合って周囲の大人が素敵に年取ってそうだがこの話の大人はダメ大人。どうやったらこうなった? と疑問に思うまで魅力的なダメ大人だ。
学生の頃知り合いで個性的な人がいて陶芸家の息子と聞き納得した。この話の大人たちも芸術家が多い
あー、なるほど納得。主人公の母親に呼ばれていい年した大人たちが平日の昼間でもホイホイ集まる。仕事はどうした、ってまでに。ほとんど大学生のノリだ。
当然集まった大人は主人公そっちのけで母親をチヤホヤする。主人公の同級生ですら母親の方を気にしたりする。不遇な主人公だ。
昔は困った大人が結構たくさんいてでもそれを見て育った子供は心のどこかで安心していた、今はそういう大人がいなくなって子供は窮屈だろう、みたいな話を何かの本で見た。定職につかずにブラブラしてたまに近所の雑用をこなすことでお小遣いを手にする、みたいな。
僕がこの本の登場人物を好ましく思うのはそういう要素がある気がする。少なくとも主人公は窮屈じゃない。僕が仕事を辞めてブラブラしたら我が家は破産だ。でも毎日遅くまで働いて家ではいつも疲れている、精気がない、となったら? 妻が家事に追われて元気が無かったら?
子供達は将来に希望が持てないだろう。あんな大人にはなりたくない! と反面教師にしてくれれば良い。でもそうはいかないだろうなぁ。おそらくもっと楽に見える職業、例えばユーチューバーとかに憧れ、でもある時それが思ったより大変で険しい道だと気付くのだ。絶望的じゃね?
普通のサラリーマンだって絶望的じゃないんだよ。昼休みや飲み会なんかで同僚とバカ話するんだよ。でもそういうのを子供は知らない。家での疲れてる状態しか知らなかったら可哀そうだ。
この小説の登場人物のように今さら芸術家になって平日の昼間にホイホイ友達と遊ぶ、そんなことは難しいだろう。でもひょっとしたら遊び心が重要かも。幸いにして僕は遊び心には自信がある。
40過ぎたオッサンがお小遣いでゲーム買ったりレゴ買ったり。子供そっちのけでブログ書いたり庭いじりしたり。当然帰宅時間はかなり早いし。その甲斐あってか次男はなりたい職業にサラリーマンをあげていた。嬉しいなぁ。長男は高校行かないでマンガ家になるって言ってるが‥。
これに満足することなくこの本の大人のように魅力的なダメ大人になりたい。余談だがこの本の主人公は母親やその他周囲の大人のように立派なダメ大人になると思う。しょうがないなと呆れながらも嫌いじゃないっぽいから。ダメ大人好きにオススメの本。
↓超超超銀河団、超超超超銀河団ってなんか懐かしいフレーズ。

↓こっちもおとながやりたいことやってます系。

↓これもまた森の中?ってことでちょっと近いかも



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