『異類婚姻譚 本谷 有希子』は興味深い話題をもとにした怖い話

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2018/1/31)投稿記事の修正転載です

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「異類婚姻譚 本谷 有希子」は興味深い話題をもとにした怖い話(2018/1/31)

ストーリーが家族の怖い話でテーマが同化。長い間一緒にいると性格が似てくる、というのはあると思う。小さい頃は両親の影響を受けるし結婚したら当然配偶者だ。そこからさらに一歩進んで容姿が似てくる、と言われればありそうな話だ。

お話的には中々難解で僕にとっては難しかった。それでもこれは興味のある話題だ。それって集団につきものの話で特に複雑な集団、社会の中で過ごす僕ら人間にとっては避けて通れない。

行動やら言葉は文字通りの意味の他に別の意味を持っていて、高度に圧縮がかかっている。なので僕らはちょっとした動作や言葉に深い意味を持たせることができる。その時に使う圧縮方式が文化だろう。だからどうしても同じ文化を共有すれば言動が似てくる。

さらに文化には階層がある。日本の関東の埼玉の久保家の文化がある。ここまで来るとかなり複雑だ。僕が遊んでいる子供にピピピは?と聞けば、それは遊ぶ時間をキチンと決めてタイマーをセットしたか? それをしてないなら遊び中止だよ、と宣言していることになる。

すると子供達はしっかり理解してタイマーをセットする。2歳の長女でもタイマーを持ってくる。これを他所の家の子に言ってもすぐには理解してくれないのでは。そんな調子でその地方独特の、その家独特の文化があって圧縮が違う。こんな複雑な条件を共有していれば言動も似てくるだろう。

言動が似てくれば性格も似てくる。意志が言動に影響を与える事の方が日常では多いが、言動だって少しずつ意志に影響を与える。それは人間が地球を引っ張っているようなものだ。僕らは地球に引っ張られているのは意識するが、自分が地球を引っ張ってるのはあまり意識しない。

質量がケタ違いだから気にならないだけで実際には僕らも地球を引っ張っている。意志と言動の関係も同じようなもので片方のみが影響を与えるとは考えにくい。そしておそらく意志と言動の関係は地球と人間の関係に比べもうちょっと差が小さいのでは。

毎日早起きして規則正しい生活を心がけていればキチンとした性格の人間になっていく。寝坊状態から早起きをするのは大変だが慣れれば何て事ない。それって身体的な慣れだけではなく意志に変化が出てきていると思う。勉強だって仕事だって同じだ。

なので同じ文化を共有し同じような生活を過ごしていればやっぱり意思が似てくる。性格が似てくるのだ。僕らはそれを意識しにくい。子供の頃は親の影響を受けていたが、それは子供だったから、まだ未熟だったからだと思いがちだ。でも大人だって変わる。

実際には親も子供の影響を受けていたが、親が子供に与える影響の方が子供が親に与える影響より随分大きい。これまた先ほどと同じく質量の差だ。だから気が付きにくい。

その事に気が付くのは自分が親になってからだろうか。それでもやっぱり変化の原因は子育てを経験したからじゃね?と考えて子供の影響を受けたとは考えにくい。そんな調子で気が付かないまま夫婦は影響し合う。

お互いが意志を持って望ましい方向に変わっていけば良い。ここは良いから真似したい、ここは遠慮しておこう、等々。良し悪しではなく好みの問題もある。でもやっぱりそれは難しい。何しろその判断基準すら配偶者の影響を受け変わっていくのだから。最後は同じ状態に収束しそうだ。

集団で生活する上で避けられないある意味怖い話であり、考えれば考えるほど面白い、興深い話だ。

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