常勝パターン?
テーマが不実で、ストーリーがイソップ童話。キャラクターは赤ずきん。なんか昔わりと話題になった本じゃない? ってことで借りてきた。読んでて思ったんだけど、これはもうある意味常勝パターンを示している本じゃね? ってことで興味津々です。

不実とは何か?
ちょっと前に、娘が『小説の小説 似鳥 鶏』で読書感想文を書こうとしていた。はっきりいって読書感想文に向かない。案の定、娘は別の本で読書感想文書いてた。同じミステリーでも『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』はわりと読書感想文に向いてると思う。

なにしろキャラクターは赤ずきん、ウサギと亀、アリとキリギリス、オオカミ少年などなど、小学生でも知ってる有名人。さらにジャンル的にはミステリーなんだけど、「不実」というわりとはっきりしたテーマがある。
帰りの会的に「不実なのはいけないと思いまーす」でも良し。ちょっと大人っぽく「そもそも不実とは何か?」で攻めてもOK。……と思ったけどこの本は不倫シーンから始まるから、小学生の読書感想文的にNGだった。前言撤回。
NGなんだけど、やっぱり「不実」について考えさせられる点は好ましい話。個人的な見解としては、「こうするとわりと上手く行くよ」的なアドバイスが、いつの間にか「こうしなければならない」に変化していったんじゃね?って思ってます。
ということで「不実」についても気になるけど、この小説のスタイルの方がもっと気になる。小説におけるNGは何か? 他人の話を持ってきてアレンジするのはどのあたりまで許されるのか? どこからが「不実」になるのか? これらに興味津々なのですよ。
ミステリーとAI
ミステリーはシャーロックホームズのお陰で、変わり者探偵と凡人助手という雛形が出来上がっている。この雛型にあわせて変人探偵を準備すればだいたいOK。ジャンル的に事件発生は必須なので、何も起こらないツマンナイ小説の危機も回避可能。
ここで問題になるのがトリックだ。犯罪の手口でも解決の方法でも良いので、何か意外性のあるトリックが必要。……昔なら2番煎じはNG。今でもミステリー系の賞では弾かれるんじゃね? しかしだいぶ寛容になってきているイメージがある。
『掟上今日子の備忘録 西尾 維新』はドラマ化までした人気ミステリー。15巻もあるんだって、凄いね。探偵の変人っぷりも凄いが、僕が何より衝撃を受けたのがそのスタイルだ。最初の話のトリックが、まんま超有名探偵の超有名トリック。

これは古き良き時代の推理小説的には「不実」にあたると思う。イソップが現れて凍らされるレベル。しかしキャラクター小説だと考えるなら全然アリ。そもそも両者の境はかなり曖昧だ。世の中にはパブリックドメインがいくらでもあるから、ネタには困らなそう。
ということで気になるのは、適当な変人探偵を考えだして、パブリックドメインのトリックと合体させたらどうなるのか? あるいはミステリーに限らず、パブリックドメインの名作を持ってきて、現代風にアレンジすれば?
前者はグレー臭い。しかし後者は昔からよくやられている。『潮騒 三島 由紀夫』は古典が下敷きにある本歌取りらしいね。昔話をアレンジした文学作品は多いし、日本の推理小説黎明期には海外作品の翻案が普通にあったみたい。翻案⇒日本風に書き換える、だってさ。今やったら怒られそう。

それに比べれば赤ずきんとかイソップ童話を持ってきて、自分でトリックを考えてくっつけている(と思う、知らんけど)『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』は物凄く良心的だ。逆に良心の薄い僕なんかは色々考えてしまうのですよ。
パブリックドメインの名作を現代に置き換えるのも翻案だよね? さらには自分の好きなようにチョコチョコアレンジすれば、これはもう立派な作品になりうるんじゃね? そういうのAIが得意そうじゃね?

現在僕は聞き書き方式を用いて、AI小説を書こうと挑戦中。でもパブリックドメインの名作があれば、頭の中の説明をする手間も省ける。もちろんそのまんまだと面白くないので、ちょっとアレンジするわけだ。
僕の場合、だいたい本を読んだらああでもない、こうでもないって妄想が膨らむ。この記事だってすでに赤ずきんから遠く離れている。その妄想をパブリックドメインの名作にぶつけて小説化してもらったらどうなるのかね?
たとえば『痴人の愛 谷崎 潤一郎』なんてどうよ? つい最近映画化されてるし、漫画なんかもあるっぽい。ってことはやっぱり注目する人は注目する面白作品なわけだ。僕も目いっぱい妄想が発散して楽しかったです。

そんな調子でパブリックドメインの名作を読んで、妄想が発散したものはAIに突っ込んで、ってのを繰り返したら、そのうち面白い小説が出来上がるじゃね? などと今日も余計な事を考えて満足。普通にミステリーとしても面白いですよ。
余談だけど、1年くらい前にミステリー小説が気になってコパさんにアイディアを出してもらった。そしたら赤ずきんが主人公で、決め台詞が「どうしてあなたはこのことに気付かなかったのかしら?」で、という丸パクリな提案をしてくれました。AIのご利用は計画的に。


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