『不道徳教育講座 三島 由紀夫』を読んでアノマロカリスを思う

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2017/4/2)投稿記事の修正転載です

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「不道徳教育講座 三島 由紀夫」を読んでアノマロカリスを思う(2017/4/2)

どうも僕はずっと勘違いしていて「教養講座」だと思っていた。正しくは「教育講座」。三島由紀夫っていうと難しい文学のイメージがある。僕もいくつか読んだことがあるはずなのだがよく覚えていない。そんな中、強烈な印象で大好きなのがこの「不道徳教育講座」と「レター教室」。

一般に正しいと言われることをまずタイトルからして否定し、本当に正しいことは正しいと、おかしなことは変じゃね?とはっきり言う。反対の仮定から解にアプローチする話だ。こう書くと何だか堅そうだがそれを芯としつつもユーモアとふざけた雰囲気でデコレーションした面白くてためになる本。

で、そういう発想は周知のとおりとても大切。まず一般常識が間違っていることもあるし前提条件が抜けている場合もある。この場合ならこう、という常識の「この場合なら」が抜けてしまい、でもある程度成り立つから普段は困らないがいざという時に大変な目に会う、ってことがある。

さらに世の中変わっていくので当然常識も変わる。もっと良い解があるけど現実的に無理だからこれが常識、という場合、後になって「良い解」の方が実現可能になることもある。でもその頃には「良い解」の存在なんかみんな知らないから、不祥事が起き後に大変な騒ぎになる。

金のカギを見付けたら昔行った街に戻ってドアを開けるべきなのだが、どこに金のドアがあったか忘れた、ってのに似ている。ゲームだとアイテム取り忘れるだけだが現実では大問題になったりする。

どこまでを常識と考え、どこから疑うかはもの凄く難しいが、おそらくその匙加減が人間の個性につながるのだろう。世の中の風潮にも寄るし。

あまり疑い過ぎると杞憂になる。でも実際に起きると大変なことになる。起こる確率と影響から危険度を考える必要があるが、そもそもそんなものどうやって見積もるのか。とても大変で答えなんかないだろう。それでも福島の原発みたいなことがあるから、常識は折に触れて疑ってみるべきなのだ。

それにしてもこの本は面白い。というか三島由紀夫が面白い。もちろん三島由紀夫のしたことは許されるものではない。しかし色々考えさせられる。三島由紀夫がいる世の中は面白そうだ、と思う反面、何故今は三島由紀夫みたいな人間がいないのだろうか、と考える。

理由は色々あるのだろうがパッと思いつくのは多様性。終戦で世の中の価値観がひっくり返り、それまで軍国主義が占めていたスペースに空きが生じた。で、カンブリア紀的に多様性が増大した。三島由紀夫は多様性の中から生まれた変わり者の一人だったのでは。

そう考えると今は世の中安定しているので変わった人間が出てきにくい。今の環境に順応し、効率の良さは凄いが優等生的で遊びのない人間が生き残る。奇抜な人間は消えていってしまう。彼らは次に隕石が落ちてきて環境がガラリと変わるのを待つしかない。

あるいは隕石はもう落ちたのかも。現実世界の生活は10年前、20年前とあまり変わっていないが、情報分野の変化はすさまじい。新しい価値観が生まれているしこれに上手い事順応して以前では考えられない方法で生活している人間もいる。

そう考えれば今の時代は十分刺激的で面白い。僕が知らないだけで三島由紀夫みたいに面白い変わり者はすでにたくさんいるのかも知れない。

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