『劇場 又吉 直樹』は「このパターンね」って攻め込みづらい罠無数

02book-260411stage0 小説
広告

王道のダメ人間小説

テーマが言い訳、ストーリーが東京ダメ人間物語でキャラクターは王道ダメ人間。かなり面白かった。面白いだけじゃなくて、周到に無数の罠が設置されていてゴイスー。さらに女の子の性格から妄想が広がって大満足です。単なる芸能人本とは明らかに一線を画す感じ。

02book-260411stage
マインドマップ
Kindle本に挑戦中です
(以下商品リンク)
その肉体の性能だということを忘れるな
他にも何冊かあります
無料体験でも読めます。ご興味あれば是非!
「Kindle Unlimited」メンバー紹介プログラム

超ありきたり+アルファ

以前に読んだ『火花』よりも格段に面白かった。芸能人本だしー、なんて言ってられないレベルですよ。ただしストーリーとしては超ありきたり。東京で夢を追いかける男女の恋愛、しかもダメ男とそれを支える女の子なんていつの時代だってレベル。

ある意味、こんなありきたりのカビカビパターンをどんだけ面白くできるか? って挑戦な気がしないでもない。結果は読者次第だけど、少なくとも僕にとっては大絶賛レベルですよ。こんだけ面白い話はなかなかないんじゃね?

ありきたりってのは王道なわけで、面白いことは面白いわけだ。しかしどこかで見た感が否めないから、飽きさせない工夫が必要。そのあたりは独特のシュールな面白表現で補っているっぽい。ナガタ―ランドとか、警察か売人が~とかめっちゃ好み。

さらに気に入ったのが設置された無数の罠。例えば主人公は色んな人に文句を言う、お前が言うか、って感じでそれこそ天に向かってガムを吐いているようなもの。……ってそれ出てきたじゃん、となる。

そんな調子でツッコんだり、あれこれ考えたりしていると以前に示唆されていたり、後で出てきたりする。だからなんとも攻めづらい、なんてのもまた書かれていたりするわけだ。ここまで周到に練られているともはや怨念だ。

これは共感を与えるテクニックみたいだなー、と勝手に思いました。様々な読者がいるけど、大きな共通点としてはその小説をそこまで読んだ、って事実がある。なので以前に出てきた事柄を使えば、大きな共感を得られるんじゃね? その昔、村上春樹を読んでそう思った。

村上春樹の時には思わなかったのに、なぜ今回は罠だと思ったか? 文中に同じ表現が出てくるからってのもあるけど、なんとなく言い訳っぽいなと思ったからです。いやいや、それもちゃんと考えているんですよ、みたいな。

このあたりはなんとなくイマドキミステリーを思い起こさせる。昔ながらの一意の解を探すタイプではなく、曖昧なヤツ。特徴の一つとして、たとえ妥当な可能性があったとしても「いや、それは〇〇だからない」と言及されれば、どんなにありそうな話でも潰すことができるっぽい。

それにしたって言い訳で可能性を潰せるんなら、どんなに悪口言っても謝れば済んじゃうじゃーん、……などと思ったら、それすらも言及されているのですよ。なんとも緻密に計算された、恐ろしい小説です。

思考停止に注意

この小説から実生活に応用できることは何があるか? まず第一はダメ人間にならないように、だよね。目標を持つのは大事だけど、周りに迷惑かけちゃダメでしょ。程度の問題だとしても、主人公はダメ過ぎ。

ダメ人間として、この小説みたいに認めないタイプと、以下リンク先みたいに自覚しているタイプがいると思う。後者も厄介だけど、前者は言い訳ばっかりで面倒くさい。お話だからって言ってしまえばミもフタもないけど、どちらのタイプも誰かが手を差し伸べてくれたりする。

この小説でも手を差し伸べてくれる女の子が登場する。しかもめっちゃいい子。なんだか、死神vs神様みたいな構図。なんだけどこの女の子の方がヤバいと思う。軽いストックホルム症候群みたいになってない? いじめられっ子が自分の境遇を認めたくなくて言い訳してるみたいじゃね?

困ったり、恐怖を感じたり、思考停止に陥った際にただ笑うことしかできない人がいる。先生にあてられて、答えがわからなくてニヤニヤしている小学生みたいに。そんな奴いるか?って思うでしょ。……僕の妻も長男もそうなのですよ。

どちらも「怒られてるのに笑ってて不謹慎!」って余計怒られるタイプ。妻にいたっては押しに弱く、お願いされると嫌々ながらも承知してしまう意志薄弱人間。見知らぬ人にお金を貸したこともあるし、断り切れずに絵を見に行ったこともある(さすがに買わなかったらしい)。

……あれ? まさか僕違うよね? 僕がダメ人間で、妻に無理やり結婚を迫って、妻は断り切れずに承知したとかじゃないよね? ひょっとしてめっちゃ束縛していて離婚秒読みとか? ……なんか心配になってきた。

とかなんとか考えてたんだけど、これってわりと日本人に共通なのかも。国際的な交渉の場で自分の意見を言えず、愛想笑いでキモがられ、貧乏くじひかさるとか。言い訳的に笑顔で誤魔化そうとして、通用しないで結局損するパターン。

まあ、そんなのは思い過ごしでしょう。バイクのシーンで女の子は笑ってなかったし。そもそも笑いイコール思考停止だとすると、この小説は完全なホラーだ。最後の場面はもちろん、全編にわたって恐怖過ぎる。だから違うよね?

読む人は最初ちょっと注意した方が良いと思う。初めの数ページ描写がしっくりこなくて読むの止めそうになったけど、女の子と会ってからクリアになりました。こういう手法なのかなー、って勝手に納得。などと今日もあれこれ妄想して楽しい読書でした。面白いのでマジおススメ。

 お読みくださりありがとうございます
↓応援クリックいただけると励みになります

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村
晴耕雨読その他もろもろ - にほんブログ村

人気ブログランキング
人気ブログランキング
人気ブログランキングでフォロー

↓買い物でリフレッシュ。好き嫌いを育てるのってわりと重要な予感。

↓閾値を超えたら見直したい、とは思っても損切りはムズいのですよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました