『SOKKI! 人生には役に立たない特技 秦 建日子』が琴線で鬱

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2023/3/10)投稿記事の修正転載です

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「SOKKI! 人生には役に立たない特技 秦 建日子」が琴線で鬱(2023/3/10)

ストーリーが学生恋愛王道編でテーマが速記。キャラクターは普通大学生。かなり琴線でした。でもってリアル。それだけに鬱。脱力感ハンパない。

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どこかで聞いたような話

かわいい女の子に誘われて興味のないサークル活動を始めるのも、付かず離れずの関係になるのも、元気な女の子が実は……ってのも、だいたいどこかで聞いたような話。いや、現実にはあんまりないんだよ。現実にはないけどお話では王道。王道だけに面白い。

困ったことにこれは僕の弱点でもある。学生生活がやっぱり楽しかったのか、階段教室とか、学食とか、サークルとか、そういうのに弱いっぽい。いわゆる琴線ってやつだ。でもってリアル。期待通りにならないのがリアルであり、それでも現実を見つめなければならないのがリアル。

だからこそ読後の脱力が大きい。困ったことに作者の文章がまた良かったりする。電話のあとの主人公の心情をテレホンカードと餃子であらわすあたりとんでもないテクニックだと思う。

なんなら違うって言ってほしいくらい。べつに心情をあらわしたとかでなくただの情景描写だよ、って言ってほしい。そしたら僕は「良かった、あんな心情になった主人公はいないんだ」って今日の夜安心して眠れる。

なにしろ読者はカバがどんな人か知らない。知らないから、どう考えても昔の女のほうが良さそうだと思う。思うんだけど、そこは主人公を信じるしかない。

これらの経験から学んだ主人公が最後に選んだのがカバなわけだ。だったらカバを信じるしかない。そう思うしかない。これで良かったと思うしかない。

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良くねーよ!

いや、ちょっと待てよ。全然良くない。主人公は三年間何をやっていた? 基本何もしていない。速記しかしていない。それだけではない。終わった後だってあったはずだ。なりふり構わず玉砕していない。かなわない相手だと思ったら諦めるのも手だが、レベルアップを目指しても良くね?

危なく感傷的になって流されるところだった。僕らがここから学ぶべきことはどうすればカセットテープをきれいさっぱり捨てられるかだ。ズバリ、自分の中にいる松岡修造的自分を最大限に活かし、行動あるのみ。考えて考えて、実行するのみだ。

などと書いてて思いだした。こういう時ってやたら行動的にならない? 出したこともない手紙を書いたり、思い切って誘ったりしない? それって誰でも同じだと思ってたけどひょっとして違う?

エネルギーが湧いてこないの? それともエネルギーは湧くけどハードルを越えられないの? 変な方向に使っちゃうの? おそらくこの本の主人公は速記にエネルギーを使ったのだろう。これはちょっとどうなんだろう?

家を買いますって言ってお金借りて車買っちゃったようなもんじゃね? そもそも速記を始めたのも上達したかったのも恋愛が目的でしょ? 手段が目的になってるわけだ。これじゃあ上手くない。

でもって目的になった手段と学んだ思い出が残ったわけだ。それはリアルかもしれないけど目指すべきはやっぱり目的達成だ。僕らがこの本から学べることは目的を見失わないこと、恋愛で得たエネルギーは恋愛に使うこと、の二点だと思う。

……とかなんとか無理やり張り切ってちょっとは元気が出てきたけどやっぱり感傷的にもなりますよ。いろいろ考えさせられて、勉強になって、琴線をかきむしられる良本でした。

全然関係ないけど、この本を読んでたら妻が「その本読んだことある」と言ってきた。妻はあんまり本を読まないので、これはかなり珍しい。っていうかそんなこと言われたのはじめてレベル。

などと思っていたら「あれ? 最後まで読んでない? それとも、そもそも読んでない?」とかぶつぶつ言ってた。ある意味熟年離婚防止本かも。なんとも不思議な本でした。

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