『ユングフラウ 芦原 すなお』は相変わらず個性的で独特な世界

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2017/9/29)投稿記事の修正転載です

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「ユングフラウ 芦原すなお」は相変わらず個性的で独特な世界(2017/9/29)

ストーリーが芦原すなおでテーマが芦原すなお、としか言いようのない見事な作品。主人公が独身OL、というがどう考えてもトボケタ男子大学生。中身がトボケタ男子大学生で美人OLなもんだから恋の悩み‥、なんてのもどこかトボケている。

出てくる男性の半分と関係を持つ、というとんでもない主人公だがやはりどこかトボケている。でもってそんな自分に落ち込んだりするが結局どこかトボケている。人によっては、何だこの女! 不愉快だ! だろうが少なくとも僕にとって憎めない。やっぱりトボケているからだろう。

主人公は自分が大好きで鏡に映る自分の姿を見ては満足している。始終鏡をみてるナルシストではないがともかく自分大好き。なので悩んでも泣いてもそんな自分を良いなぁ、と思っている。

そういう女性っているよねー、って一般的に言われている。あくまで一般的ですよ。例えば人の事や動物の事をやたらカワイイ!って言うが影で文句言ってる人。カワイイを連呼する自分がカワイイ、みたいな。

でもってもちろんそれは女性に限った事ではない。今の自分がいかに大変な状況か、いつもヤベー、ツライ、大変だ、とかアピールする男なんてのもいる。

こんな調子で男女の区別なくこの手のタイプの人間はいるが一般的には女性に多い、って認識では。なので女性を主人公にしよう、と思い立った作者がこういう性格にしたのでは。

これらは自分を客観的に見て満足する、という人畜無害で高度なテクニックだ。まあアピールし過ぎるとうるさいがそんなもんだと思って観察する分には中々面白い。

こういう人間の言う事を真に受けては駄目で本人は案外ケロッとしている。えー、○○ちゃんカワイイ、私はそんなことないよー、ブスだよー、って言ってても本心じゃないから平気。あー、大変だ、ツライわー、今度こそマジヤバいわー、って言ってても案外大丈夫。

この本の主人公もその調子で強い。あれだけ滅茶苦茶大暴れしておいて何がユングフラウだよwww、ってもはや笑うしかない。人によっては怒るしかない。人間は自分にないものに憧れるもんだが限度ってもんがある。

そして面白いって言ってニヤニヤしている僕のような人間も、ふざけんな!って言って怒ってる人間も、でも結局人間ってそんなもん、多かれ少なかれあんたもそんなもんでしょ、って言われている気がしてならない。

明らかに読む人を選ぶが僕にとっては超面白かったですよ。冗談のわかる人におススメ。

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