『食堂かたつむり 小川 糸』は色々ご都合主義でなんとかなっちゃう

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2016/10/5)投稿記事の修正転載です

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食堂かたつむり 小川 糸(2016/10/5)

ご都合主義がチラホラ
・マッチングがイマイチで違和感がある
・ミノタウロスの皿を思い出した

主人公が都会にいられなくなって田舎に帰る。でも運が良いので何とかなっちゃう。無一文だが食堂を始めようと思い何とかなっちゃう。茨の道な経営方針だが何となっちゃう。他にもあげればきりがないのだが色々とご都合主義がある。

でもご都合主義に至るまでの失恋の経緯に全く触れない辺りとか中々独特なオカンのキャラとか面白い点も多々ある。最後の展開もああ、こういう事かと納得。

違和感があるのは中盤のご都合主義満載部分とのマッチング。何かそこだけ浮いてる気がする。書きたかったのは最後の部分なのかもしれないが中盤があまりに簡単にホイホイと物事がうまく進むので違和感があるのだ。

何しろ登場人物全員が良い人。失敗談すら取って付けたような感じで白々しい。いっそのこと中盤も毒々しければもっとしっくり来ていたのかもしれない。中盤のみユルフワなので逆に前後も無理やり毒を盛りました、っぽく感じてしまう。

実際にはそんな感じなのかもしれない。人間歳を取れば丸くなるのだから久しぶりに会った昔は嫌いだった人が良い人になってたってのはよくある事かも知れない。でもちょっとやり過ぎだろう。
逆パターンでも入れないと物足りないのでは。良い人ばかりで総じて人間っぽさに乏しい。

最後は藤子・F・不二雄のミノタウロスの皿を思い出す。どうなんだろう。結局何だかんだ言っても動物を食べるのは人間の都合なのだから何を言ってもむなしい気がする。その上で感謝は当然だが。

毒のある話を無理やり書こうとして一部成功一部失敗って感じの小説。ご都合主義は好きだがそれだけじゃ物足りない、って人におススメ。

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