『理屈が通らねえ 岩井 三四二』算法者の時代劇という設定が斬新

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「晴耕雨読その他いろいろ」2015/12/17投稿記事の修正転載です

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理屈が通らねえ 岩井三四二(2015/12/17)

これは面白い話だ。作者は岩井三四二。算法者の時代劇、という設定が珍しく斬新だ。主人公が武術の達人、というのはありがちだが、まあ時代劇だししょうがないか。

僕は和算に詳しいわけではないが関孝和の名前くらいは教科書で知っている。文章のそばには円周を求めるための円に内接した多角形の図があったような。僕らが習う数学は西洋由来だが昔は知られていなかっただけで和算はハイレベルだったとか。

当然僕らの知っている数学とはいちいち名称が違うのだがそれをあまり深く解説しないのも良い。何だか色々想像が膨らんでしまう。

時代劇、というと良く言えば安心できる王道、悪く言えばワンパターンが多く、それを面白い設定で見事に裏切られた感じだ。何というか全然注目していなかったNHKの面白番組みたい。NHKはどこかずれているが質の高い番組があり、それを見付けた時の喜びは大きい。アレに似ている。

設定以外はよくある時代劇。主人公が修行しているのが算法ではなく剣術なら途端にありふれたステレオタイプな小説になっただろう。普通に面白いが筋書や描写も格別に優れているというわけではない。

なので設定だけでこんなに魅力的になるのが僕にとっては非常に衝撃的で面白く感じる。珍しい物好きな人、数学が好きな人にお勧めの本だ。

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