久しぶりの文学賞系
ストーリーが人生いろいろで、テーマがズレ。キャラクターもいろいろ。まあ、文学賞なんだからいろいろは当たり前だけど、テーマ的なものはやっぱりあるっぽい。講評では「昭和」って単語が気になったけど、特に「ズレ」に注目。


いろいろあった
たまたま図書館で見かけました。僕は一時期かなり頑張って文学賞に応募していたんだけど(以下リンク先参照)、伊豆文学賞に応募したことはない。単行本になって図書館に置かれていて、しかも売られているだなんてすごい文学賞だ。ということで期待して借りてきました。

なんとなく最近はあとがきから本を読む。今回も選者の講評から読みました。だからだろうけど、昭和って単語に惹かれてあれこれ考えた。僕も昭和は知っているけど、それにしたって最後の一部のみ。その前がやたら激動だったわけだ。そりゃいろいろあっただろう。
そのいろいろに対して、あれが良かったとか、これが悪かったとか言うのは簡単だ。後だしじゃんけんであり、部外者だから何でも言えるし。そういうんじゃなくて、あーそうだったんだー、と単純にそのまま受け止めたい。……なんか瞑想みたいだけど。
ただし瞑想と違って、受け止めて手放すだけじゃもったいない。そっから何か考えて、自分の今後に役立てたいのですよ。なにしろ僕はケチなもんで。「いろいろあった」だけだと清水義範のパクリになるのでズレに注目。
特に『即日帰郷』がそうだと思うけど、昭和にはズレが多かった気がする。お国のためにと喜んで戦争に行ったのか、やっぱり行きたくなかったのか、建前と本音がガッツリあったっぽい。まあぶっちゃけ死にたくないだろう。でも言える雰囲気じゃないよね。
良い組織はズレが少ないと思ってる。国力アップと、国民の目指す幸せ生活の方向性を合わせるわけだ。それぞれの欲求を満たすように行動すれば、自動的に国力が上がるってシステムを作り上げるのが理想じゃね? そのために補助や刑罰を設定するわけだ。正直者が馬鹿を見る、は最悪。
もちろん会社もそうだろうし、組織じゃないけど個人にも当てはまる。様々なアイテムやハードル下げを駆使して、努力しやすくするシステムを構築しよう!なんて話は自己啓発本でよく見る。これだって長期欲求と目先欲求のズレを少なくする工夫だ。

でもってアレだ。昭和に存在していた様々なズレは、先人の努力によってだいぶ解消された。お陰で我々は国がああしろこうしろと言っても大きな声で文句を言えるようになった。障碍者の人も昔よりは過ごしやすくなった、と思う。鬱病に対する理解も進んでるだろうし。
ということで先人に感謝。ありがとうございます! そのうえで子供たちのために少しでも世の中を良くしたいですな。ただしズレは決してなくならない。大きなズレを解消すれば小さなズレが目立つし、ある人にとってズレのない状態は他の人にとってズレズレだったりしそう。
最悪なのは自分にとってズレのない状態を唯一無二の解であると誤解し、他人の意見を頭ごなしに却下することだよね。そういう人に文句言えるのも先人の努力のたまもの。でも僕もきっと子供相手にその手のこと言ってるんだろうなー、などと考えて少しは謙虚に毎日を過ごしたい。
賞自体のズレのなさが凄い
ここで最初の話に戻るんだけど、伊豆文学賞のズレなさが凄い。僕は地方文学賞の佳作をもらったことがある。授賞式に出掛けて、冊子をもらった。それだけでもうおなか一杯、……いやまだまだ欲張るけどね。
あの冊子だけで十二分に嬉しい。もちろん全部捨てずにとってある。そのうち一発当てたらメルカリで売ろうと思ってそろそろ十年たつけど、このまま棺桶に入れてもらうことになりそう。そんなレベルの貴重品。マジプライスレス。
もし自分が応募した小説が図書館で借りられる単行本に載ったら? これはもう発狂レベルに嬉しいだろう。買って帰って家宝にし、親類縁者に配って歩く。その点で伊豆文学賞が目指しているだろう静岡の魅力発信と、応募する側が目指す喜びの方向性は完全に一致している。
単行本になりますよ、図書館に並びますよ、の謳い文句はかなり強力なアピールポイントだ。……え? しかもこれ30~80枚で賞金100万円じゃん。たしか僕が狙ってたのは50枚で50万円の賞だったからかなり高額。なんで僕応募しなかったんだっけ?
ちなみに僕はショートショートで雑誌に掲載されたことがあって、『ショートショートの花束』の新刊発行をずっと待っている。ショートショートを勧めてくれたのは山本先生ですよ。10冊目に載る計算だったけど、9冊目の時点で発行が10年近く止まっている。……悔しいです!

ともかく、伊豆文学賞のズレのなさが凄い。賞と応募する側の方向性が完全に一致している。最近の状況は知らないけど、地方文学賞を狙う人は是非チェックするべき賞だ。こうやって過去傾向を調べるために、単行本買ったり図書館で借りたりする人も多い予感。凄腕策士がいるに違いない。
僕としては現在電子書籍、AI小説に興味津々だ。なので今のところ伊豆文学賞に応募する予定はない。でも単行本で100万円かぁ……、いつの日かまた新人賞応募作戦を始める際には要チェックな賞です。





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