『はむ・はたる 西條 奈加』NHKで8時からやってる時代劇みたい

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/6/13投稿記事の修正転載です

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はむ・はたる 西條奈加

・普通に面白い捕り物系時代劇
NHKの時代劇にありそう
・今の時代に時代劇って損だ

普通に面白い時代劇。でも一般的な捕り物系時代劇の形ではなく結構特殊。勝手なイメージだがよくある捕り物系では主人公が剣の達人で頭も切れる、でもどこか抜けてる好人物。一応頭を使って事件を解決するが最後は結局刀での勝負になり犯人を倒す。ちょっと古い発想か。

この話の面白いところは頭担当と剣担当が分かれており、しかも頭担当が子供ってところ。ベーカー街少年探偵団が事件を解決し、力が必要な部分はホームズが出てくる、という感じか。

こう書くと剣担当がパーみたいだが、この人も賢くしかしまあ発想の点で頭担当には劣る、ってことらしい。

事件の内容としては推理小説みたいに肩の凝るものではない。さらっと証拠が提示され頭担当がそれを解くのだが本格ミステリのように細かくはないし最近風曖昧ミステリのように説明過多でもない。調度良い感じで物語を楽しめる程度に謎解きが進んでいく。

それぞれしっかり短編となっており少しずつ大きな謎について触れられていく。で、最後の話で解決、というのも大団円でスッキリする。最後の犯人と剣担当の関係がちょっと唐突だった気もするが大問題、って程ではない。

強い印象を残す名作ではないが、設定が面白く押さえるところはしっかり押さえて、なのでかなり質が高い。NHKで8時くらいからたまにやってる時代劇みたい。まあ今時時代劇をやるのはNHKくらいなのだが。

そうなのだ、時代劇は不遇なのだ。これくらいの質の高さで今風の曖昧ミステリならもっと注目を集めていただろう。実際この本がどれほど話題になったか、なんて知らないが今風ミステリならドラマも多いし若者受けする挿絵でも付ければアニメ化もある。

10年位前のことだがミステリ作家ばかりがもてはやされ肩身が狭い、と書いていたSF作家の話を思い出す。その作家もSF全盛の頃は調子が良かったそうだ。時代劇、時代小説が流行ったのはかなり昔でそれ以降数十年に及ぶ冬の時代なのでは。

流行は繰り返す、というが時代劇が流行るところを想像できない。あるとすれば海外で流行って逆輸入だろうか。あとは純粋な時代劇ではなくライトノベル風時代劇。屁理屈系イケメン旗本退屈男と良い所のお嬢様のコンビでそれこそ曖昧ミステリにしてしまうとか。

問題はライトノベルと時代劇で軽重が異なり相性が悪そう、ってのと単純に時代考証が面倒なことだろうか。そんな大変な領域に挑むよりはそこら辺の大学生にした方がよっぽど楽だろうし、まだ明治とか大正の方が雰囲気合いそうだ。

ともかくこの本は普通に面白い。何というか豚骨ラーメン全盛期の塩ラーメンのような感じだが、この本が面白い事には変わりない。

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