『さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩』はドリフ的組み合わせ

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2017/11/24)投稿記事の修正転載です

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「さよなら、そしてこんにちは 荻原 浩」はドリフ的組み合わせの中の頑張りが面白い(2017/11/24)

ストーリーが色々な職業不向き話でテーマが不向きでも頑張る、と見た。まず最初の笑い上戸の葬儀屋の時点で僕としては嫌な予感しかしなかった。電車の中だったのであまりニヤニヤするわけにもいかない。しかしドリフとか大好きだった僕は、この組み合わせだけで笑ってしまう。

この本には様々な職業の人が出てくる。イケメン若手俳優に熱を上げる主婦とか、クリスマスが気になる住職とか。その職業の理想的な姿からはちょっとズレ気味ってのが共通点。

職業には向き不向きがある。で、何となく理想的な姿ってのが結構決まっていたりする。折に触れて偉い人が演説するみたいな理想的な〇〇像があるのだ。

例えば学校の先生なら生徒のことを第一に考え基本優しく時に厳しく接する聖職者みたいな人。医者も先生と似たようなもんで生徒を患者に置き換えれば良い。当たり前だが理想的な姿はその職業に向いている人間、ってのが大前提だったりする。

そこから後は努力と経験で肉付けしていく、みたいな。学校の先生なら生徒は生意気で嫌い、医者なら患者は我がままで嫌い、とかだったらその時点で理想像に到達するのは結構絶望的な感じだ。

そこから努力で何とかするもんだ、そもそも何でその職業を選んだ、ってのは正論だ。しかし努力ではどうしようもない、その職業に就いてみて気付いた、なんて事もある。

その他子供が嫌いな保育士とか、仕事が嫌いなサラリーマンとか、そんなのだったら絶望的なのでかなり笑えない話になってしまう。しかしこの話に出てくるのは笑える取り合わせばかりだ。なので深刻な話というよりはやっぱりユーモラスな話になる。

真面目な人、というのも共通点だ。あ、俺この職業に向いてないけど別にやることやって金もらえれば良いや、って開き直ってしまうタイプだと面白さが出てこないだろう。

その職業の理想像と今の自分とのズレに気が付いていて、でも本人は大真面目でそれに対処しようとする。その姿が共感を呼ぶのでは。ヒャッホー! 俺この職業に完璧向いてるぜー! って人間はあんまりいない。逆に全然ダメだ、って人も多くはないのでは。大抵の人間はその中間にいる。

人によって程度は様々だろうがそのズレを解消するために自分を変えようとしたり、考え方を変えて折り合いを付けたり、エイヤっと荒療治を試みたり、いろいろと努力している。もちろん職業に関してだけではない。

で、まあ上手く行くこともあれば行かないこともある。全然関係ない所で良い事があったり災難に見舞われたりもする。プラスマイナスで言うと多少プラスかな、位でみんな頑張っているわけだ。その辺りで読者の共感を得ておいて、真面目さとユーモラスな状況のギャップで面白味をプラスする。

大変勉強になる面白い本でした。個人的には2話目の中学生みたいな棚ぼた的幸運が羨ましいが、現実であれを期待するよりなら宝くじ買った方がましだろうなぁ。

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