『乙女の家 朝倉 かすみ』は文学的日常系で超好み|キャラって大事

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2019/11/1)投稿記事の修正転載です

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「乙女の家 朝倉 かすみ」は文学的日常系で超好み(2019/11/1)

ストーリーが文学的日常系でテーマが自分とは。漫画なんかで日常系ってジャンルがある。何気ない日常の面白さを描いたもので可愛い女の子グループとかの四コマだったりするやつ。あれを小説にしたような感じ。

もちろんただ持ってきただけではない。日常の面白さ、何気ない会話の楽しさはそのままに小説らしく主人公は色々と悩む。課題は主に自分はどうあるべきか。これってとても普遍的、かつ現代的な悩みだ。

昔だったらある程度決まっていた。男はこうあるべき、女はこう、大人はこうで、子供はこうだよ、みたいな。主人公の家族はそれに抗ったり反対に強く意識していたり。抗うにしろ従うにしろ最初のスタート地点が提示されてたわけだ。

でも最近はそういうのあんまりない。あ、好きなのでいいよ、的な感じ。それって逆に難しかったりする。夕飯何がいい? の質問に対して何でもいいよ、が一番困る、なんて話を聞いたことがある。アレに似ている。

子供の頃だったら良いのだよ。ランドセルの色なんて何も考えず好きな色言えばいいんだから。でもあれが6歳とかじゃなく、もうちょっと大きかったら色々と考えてしまいそう。少なくとも今ほど急速にカラフルな登校風景にはならなかったのでは。

ということで年頃になるとランドセルの色よりはもうちょっと深刻な選択を迫られる。自分はどうあるべきか。選択肢の多さに加え、もう一つ現代的な要素があると思う。最近の子供はキャラに敏感そう。テレビ番組なんかを見ると大抵の場合予定調和だ。

若手お笑い芸人が良いこと言っても真面目かよ、と頭をはたかれ終わり。大物タレントがおかしなこと言っても異を唱えずありがたく拝聴。良いも悪いも、面白いもつまらないも、全てがキャラで決まり周りは空気を読むのがお約束だ。

判断基準を持たなくなった結果、みんなと歩調を合わせることが最上となっているのでは。滑った時の決め台詞が大流行し困ってしまったお笑い芸人や、突然頭良いキャラになってしまい何を言っても周りが意味深い言葉だと受け取って当惑していたタレントもいた。

だとすればキャラは重要だ。その大切さを小さいころから目にしているのが現代っ子なんじゃね? 本来キャラなんてのは好きなように過ごしてたら後からついてくるもんだと思う。でもってその深いところには自分はどうあるべきか、って悩みがある。

もし我が家の子供たちがそんな相談してきたら全力で応じるね。幸いにして今のところ超個性的。自分の好きなことを好きなようにしている。もうちょっと普通にしてほしいほど。自分はどうあるべきか。その答えは死ぬまで分からないのでは。生きている以上コロコロ変わりそう。

そんな答えの出ない問いを延々と考える。実に面白そうだ。ところで主人公のキャラははたから見ても十二分に立ってると思う。こんなにアレコレ考える人間は会話の最中でちょくちょくボーっとするまごうことなき変わり者では。大変面白い本でした。

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