『きまぐれロボット 星 新一』やっぱり面白いのだが少々物足りない

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*「晴耕雨読その他いろいろ」(2017/1/11)投稿記事の修正転載です

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『きまぐれロボット 星 新一』はやっぱり面白いのだがn+1/2周回ったくらいで少々物足りない

息子がもらってきたので久しぶりに読んだ。多分読んだことはあるが四半世紀は昔。面白いは面白いのだが久しぶりに読むと結構物足りない印象が……。

大抵こういう名作を読むと今読んでも全く色褪せていない、これが数十年前とはとても思えない、などと言う感想があるが少なくとも今の僕はそうは思わなかった。

三島由紀夫の不道徳教養講座や福沢諭吉の学問のすすめを読んだ時はこりゃすごいと思った。もちろん情勢や文章が昔、とかはある。でも書いてある内容はまったく現代に通じる。逆に表現なんかは1周回って斬新、的なところがあった。そういう感じは今回あんまりしなかった。

去年何度かショートショートを書いて雑誌に送ったが当然落選。その際に雑誌を買って入選作を読んだが完成度が高い物ばかりだった。何となくその時に読んだ入選作の中には表題作のきまぐれロボットよりも面白いものもあった気がする。

フロル星人が出てくる話なんかは確か小学校の教科書に載ってた覚えがある。当時ものすごく感銘を受けたはずでコレコレ、と期待して読んだが結構淡白。うーん、何でだろうと考えるとどうも現代とはスタイルが違うからっぽい。

僕が読んで面白いと思った雑誌の入選作は小説仕立てのショートショートなのだ。ショートショート的なラストの驚きはあっても登場人物の気持ちが丁寧に書かれており小説のシーンの一つ、あるいはエッセンスを抽出した、みたいな。

で、おそらくそれが現代のショートショートのオーソドックスなスタイルであり僕もそれが好みなのだ。あ、一応僕も現代人だったのか。それに対してこの本では登場人物がどう思ったー、みたいなのは全然表現されず超ドライ。

エフ氏だったりアール氏だったり出てくる人間は完全に記号として扱われ事実のみが重要なのだ。その事実ってのもポイントのみに焦点が当てられ他はバッサリ切り捨てられる。だから始まりは唐突でありとんでもなく藪から棒である意味無機質だったりする。

でもってこれらが星新一の魅力なのでは。余分なものを一切排除して筋書の面白さ、意外さのみで勝負する。あー、そう言えばそんな話聞いたことある。何だか寓話的なそのスタイルが斬新であり世の中に広く受け入れられたのでは。

それから時間が経ってショートシートの神様のドライなスタイルからより小説的な登場人物の心情に迫る人情スタイルが一般的になっていった……、これこそ正にショートショートの進化だ! ……とまでは行かないか。

流行が繰り返すように今は人情スタイルが流行っているだけなのだろう。しばらく経ったら人情スタイルに慣れた世の中にドライスタイルが斬新に思える時代が再び来るのでは。ともかく今の僕にはこの本は面白いがイマイチ物足りない。一周回って斬新、の前の半周状態が今なのかも。

でもこんな風に考える機会を与えてくれる良い本。昔風ショートショートが好きな人、時代の最先端を行っていて今風ショートショートに飽きた人におススメ。

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