『大脱走 荒木 源』で逃げることは大事だが判断が難しいって思った

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/9/11投稿記事の修正転載です

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大脱走 荒木 源

・タイトルは合っているのだが大抵勘違いすると思う
逃げることは大事だが判断が難しい
・釈然としないのは僕の発想が古いからか

大脱走、だなんてタイトルで表紙は何かから逃げている男性、そして主人公が就職した会社がとんでもないブラック企業、となれば、ああ、これは会社から逃げる話か、と思ってしまう。この本もそういう話か、と思ったがいつまでたっても逃亡には至らず全然違った。

一般的に逃げずに戦う事を良しとする風潮がある。お話だといじめっ子と対決していじめをやめさせたり、ブラック企業のやり方に挑んで逮捕に追い込んだり、華々しい戦いと勝利に溢れている。しかし現実はお話みたいに上手くはいかず、逃げた方が良い事が沢山ある。

もちろんそういう状態を回避することが重要だ。大人ならいじめのひどい学校に子供を入れないよう引っ越し先を考える、子供自身は変な奴に目を付けられないようにする、就活するならブラック企業は避ける、等々。

大抵の場合勝負は事前に始まっている。脱走とはちょっと違うが揉め事は避けるべきであり君子危うきに近寄らずだ。

そうは言ってもどうしようもない事もある。その学校、会社しか選択肢がないかもしれないし変な奴はどこにでもいる。そんな時にお話のようなハッピーエンドを期待して労力を無駄にするよりなら逃げた方が良い。

舞台となるブラック企業は罵倒、暴力、労苦等々現実にこんなところもうないだろ、ってほどの
見事な会社である。しかし中々主人公は逃げ出さず、途中で、ああ、こういう事かと思い至った。

脱走は脱走かもしれないがさっき書いた揉め事を避ける方に近い。そう言う意味ではタイトルは間違っちゃいないが大抵の人は僕と同じ勘違いをするのでは。

それにしても逃げるのは難しい。我々は大体の場合目的があって進んでいる。目の前に現れる問題は目的達成の障害であり、逃げる=別の道を考える、なので中々の大ごとだ。なので大抵目の前の問題は解決の方向で考える。

個々の問題解決が戦術にあたるとすると別の道を考えることは戦略に相当し大局的な観点が必要になるのでは。戦略の見直しは大変なのでできることなら戦術レベルで何とかしたい、と思うのは当然である。

考えてみれば自分の人生に対して何か目標を掲げ、大局的な戦略だなんて考えている人間はほとんどいないだろう。何となく高校行って大学行って就職して、という曖昧な目標というか流れを方向転換するのは難しい。何しろ元から明確な目標がなく道のりを考えてないから。

しかし何かしっかりした目標がありその達成のため、となれば困難にぶつかったときに戦略的退却は十分ありだ。命の危険があるいじめや過度のストレスは避けるのは生存という目標達成のためであり何も考えなくてもこの目標は本能で設定されている。

そのうち何とかなるんじゃね、という日和見主義、事なかれ主義も当然ある。しかし、逃げる、という面倒な判断を後回しにして事の重大さに気付かないふりをしくさいものにフタを続ければ取り返しのつかないことになる。

この本は面白いのだがキーパーソンに不満が残る。お話上この性格は必然なのだがそれでもやっぱり釈然としないのだ。色々考えた結果、というならわかるのだが。せっかく大活躍したのに成長も何もなく将来が不安でかわいそう、ってのもある。

でもまあそれもあまり気になるほどではなく気になったら気になったで色々考えてしまう良い本。お話自体も普通に面白かったよ。

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