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『海辺のカフカ 村上 春樹』に潜む水木しげる風味が好き

『海辺のカフカ 村上 春樹』はストーリーはいつもの調子+でテーマは隠喩。カフカの話の方がいつもの調子で、ナカタさんの方が新鮮。正統派の隠喩、描写の何らかの要素をちょっとずらすと、とぼけた感じの親しみのある雰囲気が出せるのでは。
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『1973年のピンボール 村上 春樹』で自らのスイッチオンを確認

『1973年のピンボール 村上 春樹』はストーリーはいつもの調子で、テーマは繰り返し。入り口はあったはず、出口もあるんだろう。その間はどれだけ長いか、どれほど繰り返せば良いのか。僕は今スイッチオン状態だ。なので楽しけりゃいいじゃん、と思う。
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上 春樹』|勘違い

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 村上 春樹』はストーリーが昔の傷巡礼の旅でテーマが調和。世の中勘違いばかり。踊る阿呆に見る阿呆、じゃね?何らかの点において勘違いし、自惚れて、自分に酔って過ごす人生は面白そうだ。
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『東京奇譚集 村上 春樹』で偶然について考えた|どう捉えるか?

『東京奇譚集 村上 春樹』はストーリーが怪奇譚色々でテーマが怪奇。可能性の中から偶然起こった印象深い出来事を憶えてる。問題はそこから。これをどう捉えるか?意味を求めているのは僕自身だ。何か不思議な偶然が起こったら都合よく考えて楽しみたい。
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『スプートニクの恋人 村上 春樹』は珍しいことに主人公が引モテ

『スプートニクの恋人 村上 春樹』はストーリーがどうしようもない悲恋でテーマが性欲。象徴的な言葉があってしばらく進むと似たような表現が出てくる。精神を揺さぶられ、それが登場人物の考えだったか自分の感想だったか思い出せなくて目まいがしてくる。
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『羊をめぐる冒険 村上 春樹』は一見馬鹿らしいが細部までしっかり

『羊をめぐる冒険 村上 春樹』はストーリーが羊をめぐる冒険でテーマは細部までしっかり。妙に真実味がある感じが独特の文章と相まって面白く読み進めてしまう理由では。捕まったが最後、読者はどこまでが虚構か分からなくなりどんどん勝手に深読みする。
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『ノルウェイの森 村上 春樹』はあんまり書かれてないとこがすごい

『ノルウェイの森 村上 春樹』はストーリーが幻想的現実っぽい話でテーマが強さ。その先に破滅しかないと分かっていても最初に立てた誓いを貫く強さ。あるいは何かのために誓いを破る強さ。じゃあ我々はどうするべきか。強くなけりゃいけないのだろう。
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『風の歌を聞け 村上 春樹』を読んで着実にハルキゲニアに近づいた

『風の歌を聞け 村上 春樹』は空気がよどんでいる。屋内でも屋外でも何となく。だからタイトルに反して風が吹いてる感はなくって逆にそれを求めてる、みたいな。閉塞感?文学系は何らかの文学的冒険が必要だとすれば確かにこの小説は条件を満たしている。
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『ダンス・ダンス・ダンス 村上 春樹』上手く踊るの難しいと思った

『ダンス・ダンス・ダンス 村上 春樹』はストーリーが自分探しやれやれ旅でテーマが五反田君。色々な要素があって考えさせられ、一つ一つを持ってきても十分小説になる。それだけで美味しい弁当をたくさん準備して見事なバランス感覚で詰め直した感じ。
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『ミノタウロス 佐藤 亜紀』は今風に言うとマジですごいよこの話

『ミノタウロス 佐藤 亜紀』は主人公が生きていくためには生贄が必要なんじゃない?と疑いたくなるほど、他人の人生をめちゃくちゃに破壊していく。別に意図してではなく流されたり衝動的にだったり。この時代、というか世の中もそう?