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『あなたの石 関口 尚』がある種の理想的な生活を表している

『あなたの石 関口 尚』はひと昔前の青春恋愛小説、という感じ。誰も傷つけたくない、傷つきたくないんじゃよー、みたいな。80年代後半、90年代前半っぽい?俺だっていつもはおとなしいがやるときはやるよ、そう思っている層の理想的な生活ではないか。
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『何様 朝井 リョウ』でオレ様だよって思った|有史以来みんなそう

『何様 朝井 リョウ』はストーリーが恋愛小説あれこれでテーマが何様、主人公は何者な人たち。ああすれば良かった、は後出しジャンケンであって、あの頃は無我夢中だった。ましてや無関係な第三者は好き放題言える。信長的博打は一生に一回で良くね?
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『埋葬 横田 創』は現代美術みたいなわかる人にはわかる、って世界

『埋葬 横田 創』は15年に一度レベルの読みにくい本。人と話していると、ああ、この人まともじゃないな、と思う事があるが、登場人物皆がそんな感じ。彼らがこの異常な事態に対して何を感じどう考えたのか、思いを巡らせてしまう。
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『グレート・ギャッツビー F.スコット フィッツジェラルド』

『グレート・ギャッツビー F.スコット フィッツジェラルド』はストーリーが成金物語でテーマが子供、キャラクターはギャッツビー。大人になる過程で美点を残してダメポイントを改善し大人の良い所をゲットするのが理想。子供でいるには意志の強さが必要。
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『感染列島 パンデミック・イブ 吉村 達也』で狐につままれたかも

『感染列島 パンデミック・イブ 吉村 達也』は何かが起こりそうで、あまり起こらない。例えるなら起承承承承承承承承‥、と続く。考えようによってはパンデミック、でも人類は勝った、愛し合う主人公とヒロイン、The END、よりはずっと怖い。
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『ずずず 草間 かずえ』が不思議の国のアリスみたい|なぜ増えた?

『ずずず 草間 かずえ』はストーリーが青春恋愛&精神疾患、テーマが双極性、キャラクターは双極な人。精神パートは不思議の国のアリス的な非現実空間で興味深い。病院が常夏パラダイスって納得。普通に毎日過ごせるのはありがたいことだと思える。
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『ベーシーの客 村松友視』はアクの強い店に興味がある人用の話

『ベーシーの客 村松友視』の排他的な雰囲気はジャズなの?ジャズの精神に沿っているの?と疑問に思う。無個性なチェーン店ばかりではつまらない。なのでこういう独特な存在は好きだ。ジャズが好きな人、こんなアクの強い店に興味がある人は読んでみては。
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『空中都市 小手鞠 るい』は毒がなく、キレイキレイなのだ

『空中都市 小手鞠 るい』はオシャレ感漂う話。娘世代、母親世代の理想を詰め込んだような世界で、どうもリアリティがない。モデルルームのような感じ? モデルルームはきれいだけど生活感が感じられず、なーんか現実味がない、みたいな。
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『限界集落株式会社 黒野 伸一』は人間ドラマに重点が置かれている

『限界集落株式会社 黒野 伸一』は予定調和的な作品。しばらく読むと話が見える、という事は多々あるが、かなり早い段階でそうなり、しかもブレない。その過程に意外な工夫があったり、紆余曲折あったりするものだと思うが、比較的すんなり進んでいく。
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『街とその不確かな壁 上 村上 春樹』はビールを持たない巡礼の年

『街とその不確かな壁 上 村上 春樹』はストーリーが「ビールを持たない村上春樹とその巡礼の年」で、テーマが同時存在、キャラクターが歳を取った村上春樹。主人公と村上春樹と読者とで巡礼するから、アイドルの聖地巡礼バスツアーみたいで憎い。