*「晴耕雨読その他いろいろ」(2016/10/9)投稿記事の修正転載です
キッド・ピストルズの最低の帰還 山口雅也(2016/10/9)
・思ったほどぶっ飛んでない
・やはり推理小説で超能力は難しい
・流行りのミステリのパンク版って感じ
表紙とタイトルからかなり期待して読んだ。虹色のモヒカン頭が怒鳴っている写真をバックに放送禁止な英文タイトルが踊る。以前読んだ東山彰良のウサギの話を何となく思い出しかなりぶっ飛んだ話を想像してしまった。

前書きを読んでさらに期待が膨らんだ。この話にとって重要な設定である探偵>警察というパラレルワールドの解説なのだが全然話に関係ない部分が細かく書かれており好感が持てる。
変な部分の設定が細かい、ってのはもちろん重要な部分はもっとしっかりしてるってことだしそもそも説明の言い回しが面白い。でも本編はそれほどぶっ飛んでなかった。
確かにパンクルックの警察は奇抜だ。ピンク色の霊柩車も奇抜だ。でも言動がそこまでぶっ飛んでないのだ。主人公が博識で賢いので実は良いとこのお坊ちゃんが格好だけパンクしてるのかな?と思ってしまう。
まあ確かに時代的にも立場的にもシャーロックホームズみたいにクスリをキメて事件解決、ってわけにはいかないだろう。それにしても登場人物にパンチが足りない印象。
で、超科学的な設定が出てきたりついには超能力まで登場する。推理小説でこの2つが出てくるのは確かにぶっ飛んでるかもしれないが僕が当初期待していた方向とは違う。かなり斜め上である。
この人はこの超能力、と決められているがそれにしても超能力な時点でルール無用状態である。西村京太郎サスペンスでヘリが出てきてこの2点しか結んでない!って言われてもどうしようもないのと似ている。あとは話で読ませるしかないがそうでもなかった。
しかし全ての話がマザーグースに関係している、とか前書きの設定みたいな細かい点とかいろいろ面白い点も多い。おそらく作者自身が博識なのかそれとも余程しっかり勉強したのか。
ぶっ飛び具合と博識さの2つが良い感じで混ざり合った時素晴らしく面白い話になるのだろう。ひょっとしたら前作がそうなのかもしれないが。
僕にとってはぶっ飛び具合の方がイマイチ感じられなかったので流行りの叙述ミステリっぽく思えてしまう。日常の大して重要でもない問題を扱いお嬢様&草食系男子、あるいはユルフワ女子&俺様系の出てくるタイプ。
この本ではしっかり人が死ぬが、その手の話で主人公をパンクルックに変えただけに思えてしまう。まあこちらの方がだいぶ昔の本なのだが。ともかく表紙&前書から期待した雰囲気に比べると中身はだいぶお行儀が良い。
流行りのミステリは好きだけど飽きてきたなぁ、ちょっと毛並みの変わったの読みたいなぁ、ってひとにおススメ。
↓どことなく選択肢がチラついてる気がしてならない。

↓インテリアとか小物にこだわる。最高の生活だ。

↓ぶっちゃけ妻が怪しいってことは僕も相当なもんなのだろう。



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