最強クラスの実践的自己啓発本
ともかく実践的。次にやるべきことはたった2つ、ポモドーロタイマーと筆記用具の準備のみ。完全なマニュアル本であって、電化製品の説明書(しかも簡単早見版)かってほど明確。自己啓発本大好き人間の僕から言わせると、かなり異質な本ですよ。

具体的なのが良いよね
だいたい自己啓発本ってのは考え方系が多い。昔こんなことがあったよ、誰々はこういう経験をしたらしいよ、などという例を示し、だからこうあるべき、という抽象的な話を導く。科学的根拠があったとしても頭の外に出ない。じゃあ結局どうするのよ?っていう具体性に欠ける。
この傾向はアメリカの自己啓発本で顕著、……だと思ってたけど日本でも同じっぽい。『お金の大学』とかみたいなマニュアル本系は具体的だけど、最近読んだ本で言うと『ゆるストイック』とかもわりと考え方の問題。
実践的自己啓発本としては加藤俊徳の脳番地トレーニングが思い浮かぶ。『脳の教科書』とかああいうの。解説+具体例が示されているので読んだ直後の気持ちが高まった状態ですぐ取り組める。最近読んだ中では『すごい左利き』なんかがそれ系。
本書『ポモドーロ・テクニック入門』も同じレベルの実践的自己啓発本だ。ポモドーロタイマーはネットで安く買えるし、本の中に「今日やること」、「仕事の在庫」などなどシートの例も示されている。早速新しいノートに鉛筆を走らせたくなる仕様。
抽象的⇔具体的の話は当然扱う分野による。範囲が広ければどうしても抽象的にならざるを得ない。反対にある程度限定的なら具体例も出しやすい。
『脳の教科書』も『ポモドーロ・テクニック入門』も広い分野を扱うのに具体的、ってのが素晴らしい。もちろん最初はもっと範囲が狭かっただろう。しかし練りに練った過程でエッセンスを抽出して、本質を掴むことで範囲が広がったと推測。だとしたら凄いよね。
ということで『ポモドーロ・テクニック入門』は僕の大好きな脳トレ本に匹敵する、最強クラスの実践的自己啓発本だと思ってます。当然すでにポモドーロタイマーは買った(ただし初期不良で返品交換を申請中)。ノートも準備してますよ!
そもそも僕はポモドーロと相性が良い、と思っている。仕事を始める前に今日すべきこと書き出す&終わったら横線引いて消す、30分ごとに目の体操をする、時間がかかることは分割する、デスクワークと作業をサンドイッチする、などの習慣がもともとあるからだ。
目指せ! パブロフの犬!
習慣化は最近僕が気になっている重要テーマ。これは僕個人だけではなく、世の中全体も気にしているらしい。悲しいことに僕は自分の体力の衰えから習慣化に興味津々だけど、老若男女問わず全自動で良いことしたいのだよ。
例えば後回しせずにパパっとすぐやる、誘惑に負けず健康を保つ、惰性の時間つぶしは避ける、などなど。常に好ましい方向を選び、危うきに近寄らない習慣化は憧れだ。意識せず、頑張らずに向上していきたい。そこからさらにオプションで頑張っても良いしー。
だからこそ『ポモドーロ・テクニック入門』を読むわけだ。……ここで問題がひとつ。自己啓発本あるある、わかっちゃいるけどムズイよね、はこの本にも当てはまる。しかしその点もケアされているのが、本書の最も恐ろしいところだと思っている。
まだ使っていないので推測だけど、ポモドーロタイマーは人間をパブロフの犬にする道具と見た。ゼンマイを巻く音でスタート、カチコチ音で集中、ベルが鳴ったら終了。おそらく使っているうちに強力な自己暗示にかかるんじゃね?
自己暗示っていうとちょっと怖いけど、まあ中々そうも行かないから、と安心したい。さすがに家事になったり地震が起きたりしたら暗示どころじゃないでしょ。むしろ役に立つ暗示なら全然ウェルカムだし。
なんかアレだよね。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の計算士みたいだよね。特定のきっかけで無意識状態になり、終わるまで続行。そこまで強烈ではないとしても似ている。究極的に目指すところは同じ予感。
きっかけは色々あるかもだけど、視覚や嗅覚よりもやっぱり聴覚が扱いやすそう。その点でポモドーロタイマーは理にかなっている。しかも開始、継続、終了が明確だ。
ポモドーロタイマーなし状態だけど、先週末に試してみた。これは強力だよ。やることが進まないはずがない。だって全部書いてあるんだもん。ただしそこまで厳密じゃない感じで、言ってみれば「ゆるポモドーロ」でやってます。
問題はアレだ。やること全部やって何も変わらないって場合だよね。そういうことがないように、方向性を確認しつつ常にチェックしながら物事を進めたい。以上、今日も夢が広がリング。面白くてためになる、最強クラスの良本でした。
↓ディストピアにたどり着かないよう、方向性を確認したい。
↓ポモドーロテクニックを身に着けて小説を書きたい。
↓脳と習慣の関係が気になる。
↓中途半端に実践しますよ。ゆるポモドーロ的な。
↓気に入らない? 大丈夫、次のポモドーロはもっとうまくいく。
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