「ロブスター 篠田 節子」で多様性の先が気になる|尊重と安住の地

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2025/5/31投稿記事の修正転載です

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「ロブスター 篠田 節子」で多様性の先が気になる(2025/5/31)

ストーリーがリアルディストピアでテーマがロブスター、キャラクターが多様な人。今回もまた適当に借りてきたのに当たり。運が良いのか、読書レベル上がったか?

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リアルっぽいよ

最近AIの発展が気になる。その先に何があるだろうか、っていう一つの形が提示されている本。おそらく僕らは今よりももっと多様性を持てる気がする。

昔々は生きていくうえで糧を得る手段が限られていた。森で果物を採るとかそんな感じでそれができなきゃ死ぬ。運が良ければ仲間に食べ物を分けてもらえるかも。

しばらくすると狩りっていう選択肢が出てきた。次に農業。この辺りで余剰生産物が出てきて選択肢はめっちゃ増える。役人とか職人とか軍人とか。本来自分でやらなければならない食べ物を得る仕事を他の人に任せちゃえた結果だ。

でもって自分は他の仕事、自分が得意だったり好きだったりする仕事に専念する。それでも働くことは必要。自分の労働を誰かの労働と交換する、って感じだからしょうがない。交換したくないよって拒否されたらそこで交渉決裂。

そんなふうにたいていの人は働かなきゃいけないんだけど、王様とか貴族とかみたいに働かなくてもOKな人もいる。対価なしで誰かに仕事をさせられる人。AIが発達した社会は王様がいっぱい状態に似ている。対価なし、あるいはないに等しいローコストでAIに仕事をしてもらえるのだから。

ただしよくよく考えてみたらこの流れは今に始まったことではない。エクセルに計算を任せたり、機械に労働してもらったり、牛に畑を耕させたり、昔からプチ王様状態はたくさんあった。

そもそも人間自体が一人王様だ。意識しなくても心臓は動き自律神経が体調を整える。面倒な仕事をAIが裏で処理してくれて、セミオートな状態に似ている。お陰で好きなことに専念できる。

いずれにせよ王様は色々できる。労働の交換が必要ないから交渉決裂が存在しない。自分はこれに専念したい!ってのを容易に実現できる。……容易は言い過ぎとしても昔よりもずっと簡単に自分の好きなことだけやっててOK。

その結果、世の中どんどん多様になる予感。昔だったら考えられない方法で生計を立てることが可能になる。選択肢が広がっている感じ。少なくともその流れはずっとあったし、これからもっと加速するんじゃね?

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多様性の先

多様性を尊重しよう!なんてのは今さら言うまでもない。問題はその先だ。多様性を認めたうえでどうアプローチするかが問題。明らかに違くね?って場合どうするか。もちろんそれは僕の意見であって他人には違う意見がある。それでもなお違うと思ったらどうする?

たとえば僕の息子はロクに学校に行っていない。もう中学生なわけだから後々大変そうなことはなんとなく知ってる。それでも行かない。まあそういう人生もあるよね、って多様性を認めるのは簡単だ。息子がそれで幸せならOK。……でも将来後悔するかも、なんて気もするのだ。

そんな感じで人間は変わる。今は良くても現実に体験したり、年取って心境変化&体力低下とかでどんどん変わっていく。後悔しても自己責任だよね、とはドライになり切れない。

さらに言うと変わるだけじゃなくて知らない、ってのもある。面白い世界、思ったよりも大変じゃない世界を知らないで食べず嫌いはもったいないよね。この場合、アドバイスするのは多様性の否定になるのだろうか? 場合によってはなるのだろう。もう放っておいてくれよ、って感じで。

あるいは勝てば官軍なのかも。上手くいったら感謝される。アドバイスありがとう! でも失敗したら恨まれる、みたいな。パパのせいだ! とかなんとか。

これもやっぱり尊重でもって解決するのがよさそう。まずは相手の意見を聞く。そこまで考えた上での覚悟なら分かるorこの部分の考察が甘くね?なんて感じで。まあ聞いても答えてくれないならゲーム終了だけど。

でも結局考えてもわからないよね。アドバイスしたいならする、ウザがられようと嫌われようと構わないってんなら言いたいこと言う。別にいいやってんならしない。最後はそうじゃね?

多様性を尊重しつつ、最後の判断は自分の好きなようにする。それで失敗したと思うなら次から気を付ける、これしかないよね。などと今日も余計なことを考えて満足。

個人的には色々彷徨って行きついた先の安住の地なら良いと思う。そうでもないからローカルミニマムな場合もあるからもっと彷徨えば良い。少なくとも僕はまだまだ後者です。面白くて色々と考えさせられる良い本でした。

↓この本も今ならもっと楽しめるのかも。

↓実用書の方がマインドマップ書きやすいよ。

↓ノスタルジーで独特雰囲気な小説。

↓太宰治は『トカトントン』が好きです。

↓さらなる多様性(変わり者)を目指して試行錯誤。

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