「はじめての文学 村上 春樹」に魅力的個性を見た|冷たく熱い覚悟

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2022/7/22投稿記事の修正転載です

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「はじめての文学 村上 春樹」に魅力的な個性を見た(2022/7/22)

ストーリーが実験的短編でテーマが村上春樹。何がすごいって個性。短編なのにしっかり村上春樹。一行目から村上春樹。

歌でもなんでもそうだけど、どんな分野でも個性的ってのは強い武器になるんじゃね? ただ上手なだけではなくてその人にしかない味はそれだけで魅力的だ。歌だったら小田和正とかサザンとか……、あれ? つい最近同じこと書いた? 何の時だっけ?

ともかく村上春樹も個性的。もう一行目からオイニーがゴイスー。好きな人にはたまらない。数行読んだら止まらない。読み終わって、やっぱり村上春樹だわ……、と大満足。

独特にとぼけた感じの、淡々と不思議な出来事に向き合う雰囲気はいったいどうやったら書けるのか? 真似できないけど、真似たって無意味。個性的でありたい人は、それぞれ自分の個性を探さなければならない。

知らないけど青い鳥みたいじゃね? きっとさんざん歩き回って、ある時ふと、最初からそばにあったって気づくんだろうね。もちろん、苦難の道だろうし、見つからない人がほとんどかもだけど。

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内容もいいよね

文章も個性的なら内容も個性的。ひとことで言えば面白い純文学であり、深いエンターテイメント。村上春樹の長編を読んでいつも感じることが、実験的短編の中にしっかり存在してる。純文学ともエンターテイメントとも区別できない雰囲気が村上春樹の魅力だと思ってます。

おそらくテーマとストーリーの配分が高いレベルで絶妙。だからこそ、デビューしたときにみんな困ったんだと思う。野球でいうところのお見合い状態。純文学の人たちは、あれ? こっちの守備範囲? と戸惑い、エンターテイメントの人たちもひょっとしてオレたちボールなの? なんて困惑した。

結局両陣営ともにうまいことキャッチできず、ひたすら困ったんじゃね? そんなふうに考えているもんだから、とんがり焼きは特別に面白かった。

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役立てられるか?

僕の本の読み方は読書として楽しむだけでなく、あわよくば何かを得たい、ってものだ。いくらなんでもハードル高すぎだけど。村上春樹の文章的個性、っていうか雰囲気的個性の源は『大変だけどしょうがないか』的な冷めてるようで熱い覚悟だと思っている。

端的にあらわせば『やれやれ』だ。しっかりと通った一本の筋が文章にも雰囲気にも、おそらく本人にも強い個性と魅力を与えている気がする。これは小説を書くことだけでなく、日常にも通じるポイントだと思う。

じゃあ僕の個性とは何か? 筋の通った人間ではないけれど、こうありたいと思うものを育て信念を持って毎日を過ごせば、いつしか個性的な人間になって文章にも独特の雰囲気が出る?

……うーん、なんか壮大だな。方向的には悪くない気がする。少なくともいくつかある道のひとつではある予感。ちょっと心がけてみたいけど、これはもはや生涯レベルの目標だよね。

面白くてためになる、でもハードル高すぎて軽くめまいがする、とても良い本でした。

↓「説明しない」が重要。おしゃべりな詐欺師はしくじりそう。

↓個性の塊な方々。でも昔はわりと一般的だったっぽい。

↓個性的を目指して迷走中。……逆に無個性?

↓相変わらず全てが魅力的。

↓安物を買う覚悟ではなく、買わない方の覚悟が欲しい。

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