『帰宅部ボーイズ はらだ みずき』は身近な感じが魅力なのかも

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「晴耕雨読その他いろいろ」2016/1/15投稿記事の修正転載です

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帰宅部ボーイズ はらだみずき(2016/1/15)

普通に面白い話だった。年頃の息子が問題を抱えているらしくそれをみて父親が自分の子供の頃を思い出す話。以前読んだ別の作家の「タチコギ」という話と同じスタイルである。この本も面白いのだが「タチコギ」の方が色々上だった。

「タチコギ」の舞台が特殊で魅力的であったのに対し、こちらは親近感が沸く感じだが悪く言えばどこにでもありそうな平凡な環境。起こる事件の衝撃も向こうのほうが大きい。逆に言えば身近な感じがこの本の魅力なのかも。

正直僕も千葉県の人間だから津田沼とか出てくると興味がわく。浪人時代代々木ゼミナールに通った場所だ。稲毛の海とか内房線とかも親近感がある。それに同じ学校や他校の生徒とのトラブルとかも身近に聞いたことあるような話だ。千葉だし。

激情タイプの昔と妙に冷めた現在の姿に奇妙なずれを感じてしまう。もしも過去の主人公に対して冷めた人間に成長するような可能性が示唆されていれば納得できる。でもそうだっけ? 何でこんなに気になるかと言えば現在の主人公の姿が好ましく思えないからではないか。

なので昔々色々あって、それでも最後には良い方に向かうっぽかった主人公の現在がこうです、となると何だかなぁと思ってしまうのだ。というのも現在の主人公に努力がみられず、何か成長があるわけでもない。

こういう話のスタイルは息子が問題を抱えている、それに対して父親は何もできない、息子の姿を見て父親は昔を思い出す、昔を思い出した父親に成長がある、息子の問題が改善に向かう、ってのが王道な気がする。

もちろん僕みたいな素人が考えるパターンではなく、もっと魅力的な面白いパターンもあるだろう。しかしこの話のスタイルが大成功かと言えば少なくとも僕にとってそうではない。あと気になるのは結局主人公は成功していない。

もちろん直接的な成功でなくても、失敗から何か学びその後良くなりましたよー、的な感じでも良いが、上記の理由でそうとも思えない。そこに居心地の悪さを感じる。

色々書いたが、まあ普通に面白い話である。それにしてもこんな変な部分を気にして文句を言ってくる素人がいるのだから、プロの作家は大変だ。

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