『キッチンが呼んでる! 稲田 俊輔』でタフさの源は食であると確信

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食にこだわるタフ野郎小説

ストーリーが食にまつわるあれこれで、テーマは食、キャラクターはタフ野郎。問題は食じゃない。もちろん食も素晴らしいけど、小説として面白い。他にあんまり小説書いてないみたいなんだけど、もったいないんじゃないかなー、とか思ってしまう。

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説明不足がちょうど良い

まず見事なのが説明不足さ。これがちょうど良い。最初僕は著者のエッセイだと思ってた。ワンピースとか出てきた時点で違和感を覚え、そのうち小説であることに気付いた。それくらいがちょうど良いよね。気を付けるのは「説明しすぎ」、なのですよ。

しかしこれがまた難しい。もちろん僕らはおしゃべりだし、ってのもあるけど、読者を煙に巻くわけにもいかない。「もっと読者をその場所に連れて行って!」という言葉に反する。小説家が編集者に言われた言葉、とかで何かの本に書いてあった気がする。それっぽくね?

そこで何が必要かっていうと説明不足を補う面白さだろう。状況がよくわかんなーい的なマイナス要素を、カバーして余りあるプラス要素イコール面白さが必要。この塩梅の難しさはまさに純文学とエンターテインメントの間にある渓谷に転がっていそう。

でもまあ、よくよく考えると「その場所に」なわけだから必要なのは現在の描写なわけだ。登場人物の置かれた状況はいらないのかも。そう考えると上記編集者の言葉に矛盾はない。説明不足でも「その場所に」連れていくことは可能っぽい。結局それって面白さなのかもだけど。

何かあるっぽいことを匂わせつつ、話は進む。この辺りで単なるグルメ漫画的な本ではないことに気付いた。昔のグルメ漫画では何か問題が発生して、料理で解決するパターンが多い。最近は食べて終わりパターンも多い。連載が長引けば全体としての大きなストーリーが発生する。

この本では最初から大きな流れを匂わせつつ、美味しそうな料理が次から次へと出てくる。少しずつ小出しに焦らされ、背景を流れるストーリーが意味深なものであることがわかってくる。そうするとますます次の料理が待ち遠しくなる。完全に術中にハマるわけだ。

母が村上春樹で盛り上がるだけあって、文章も面白い。「水だぜ、水」とか「おおっと黒歴史黒歴史」とかアンテナにビンビン引っかかる表現も秀逸。すいません。図書館に返してしまったので文言は正確ではないです。

最初の話に戻るけど、説明は少ない。思考ではなく、言動で語られる。動はもちろんだが、言の方も直接ではない。この辺りも小説的な面白さが詰まってるよね。個人的に気になるのは「迷ったら両方」。などと思っていると話が終わる。やっぱり説明しないのが良い。

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本の本は本気の本

最近疲れるのですよ。ちょっと何かするとすぐ疲れるし、朝起きた瞬間から疲れている。おそらく子供の頃はメダカの栄養袋みたいなのがパンパンに膨れてた。ある程度大きくなって栄養袋がなくなっても、体に吸い込まれた余力がみなぎっていた。今は使い果たした感がある。

親からもらった栄養を使い果たした今、どこからエネルギーを得るべきか? もちろん食べ物ですよ。この本に出てくる登場人物はたいていタフ、でもって食にこだわりがある。かと思うとそうでもない人もいる。なのでタフ=食にこだわる、っていう図式が成り立つ。

当然のごとく主人公もタフだけど、象徴的なのが友人のアサコ。でもって元上司が続く。どう考えても彼らのエネルギー源は食だ。僕は再検査回避のために食事制限をしたけど、逆なのかもしれない。実際に間違った食事制限で体調不良になったし。

食事が大事⇒でも太るのはマズい⇒筋トレ、って流れが良いかと思ってます。僕の適正体重65kg(BMIで22)に対して、数か月前は60kgくらいだった。これで体調崩したので、現在は65kg目指して増量中。

体脂肪も増えたけど筋トレは続けているから、65kg超えたあたりで食事に気を付ける。この作戦で良い方向に持っていけると思ってます。目指すは好きなものを好きなように食べても太らない体。若いころ持っていたけど失われた宝物ですよ。

でもってこの本のように、自分の食べたいものを作って美味しく食べたい。……なんだけど最近気づいた。僕はだいたい何でもおいしく食べることができてしまう。これは昭和の小学生に必須だった利点、しかしこだわりに対しては大きなハードルだ。

この問題は食に対してのみではなくなりつつある。小説もまた、だいたい面白く読める。マインドマップを描きつつ、アンテナを立てればだいたい何かしら引っかかる。同じようにして現代美術や現代音楽も昔ほど敬遠しない。

何でもおいしく食べられて、物事を楽しむことができる。反面、こだわりがなくなる。これは重大なトレードオフだ。同じことが全般に言える気がしてきた。どんな状況でもわりと楽しむことができるのは、次のステップへと進む障害になってね?

ただこの構図もちょっと違うかも。僕はどんな本でもたいてい楽しめるけど、こだわりはある方だと思う。少なくともマインドマップ描きながら本を読んでるおじさんは変人じゃね? ってことはこれを食に応用すれば「こだわりつつ何でもおいしく」が可能になりそう。

おそらく僕は食に対してまだまだアンテナが低い。多分だけど感度を高くするには若いころからのたゆまぬ努力が必要と見た。つまり年寄りに打つ手はない、……のではなく脳トレ的には複数脳番地作戦、自分で作ってみるのが良い気がする。

もうひとつ、この本で気になったのはズバリ「本」。本の本は本気の本ですよ。上記の『都会を離れて~』でもそうだったけど、この本でも何かに真剣に取り組む際、本を買ってきている。ですよねー。今の世代は違うかもだけど、僕ら世代の本気は「本」なのですよ。めっちゃ共感。

などと今日も色々妄想して満足。この本のレシピ本が欲しくなってくる。もちろん主人公の後日談も気になる。面白くてためになる、でもって美味しいものが食べたくなる良い本でした。小説的にもマジおススメ。

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↓こういうのって事前に夫婦で話し合っておくべきだったと後悔。

↓美味しいものは食べたい。でも太りたくない。ワガママだけど当然の話。

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