*「晴耕雨読その他いろいろ」2015/11/23投稿記事の修正転載です
感染列島 パンデミックイブ 吉村達也(2015/11/23)
冒頭のシーンが印象的。ホワイトアウトした状態での大規模な交通事故、爆発。真っ白な風景にオレンジ色の炎のコントラスト。映像にしたときに映えるだろうなぁ、そういえばこんな映画あったなぁ。そして発見される謎の焼死体‥。
何かが起こりそうではないか。何しろタイトルがパンデミックだし。でもね、あまり起こらないのだよ。
何かが起こりそうな雰囲気は常にある。伏線?と思われる記述も多々ある。しかし読み進めていくと何も起こらず、例えるなら起承承承承承承承承‥、と続く。その内残りページが気になる。え、これ後残り少ないけど終わるの?と不安になり、最後はやっぱりイマイチ消化不良。
作者の吉村達也はかなりのベテラン。シリーズ物のミステリーがいくつもあり人気作家なのだろう。だから文章はうまい。ハッとさせられるほど見事な文章というわけではないが、いかにも小説っぽい描写が並ぶ。
お話だって別に十分アリな内容だ。そりゃ最初の頃の沖縄の物々しさとタイトルからすれば思い切り肩透かしかも知れないが、それでも近い将来起こりうる恐怖を残し、それに対する警告がなされている。
考えようによっては中途半端にパンデミック、でも人類は勝った、愛し合う主人公とヒロイン、The END、よりはずっと怖い。でも何故か評価が低い。まあ要所要所で突っ込みどころ満載なのだからある程度理解できるのだが、そこまで?と思うほど評価が低い。
これはおそらく映画の影響があるのだろう。この本が2008年12月、映画が2009年1月。映画の予告やCMを見て、あるいは本編を気に入って本を手に取った人は怒るだろう。全然内容が違うじゃないか、と。
映画を見てないのだが、映画の方がタイトルに沿っているっぽい。加えてかなり大々的な映画だ。影響も大きかったのでは。全く別物かというとそうでもない。タイトルのロゴとか背景の写真とか、映画のポスターと本の表紙が同じにしか見えない。
じゃあどういう関係なのかと調べるとこれがWikipediaにも書かれていない。どうでもよい韓国のねつ造事件とか漫画もあるよとか書かれているのだが本との関係が一切ない。逆にこっちのほうが気になる。
映画とタイトルを切り離し先入観無しで読めば楽しめる。でも何だか狐につままれたような本だ。
↓病院ってたしかに温度管理が常夏パラダイスだよね。
↓気難しい感じって仲間になれば心地良いんだろうね。
↓AIとの共創でピラミッドを建設したい。
↓天は自ら助くる者を助くの典型パターン。
↓読む方が試される系。






コメント