*「晴耕雨読その他いろいろ」2015/11/19投稿記事の修正転載です
空中都市 小手鞠るい(2015/11/19)
オシャレ感漂う話。作者が女性なだけでここまでオシャレっぽくなるのか?と思ったらアメリカ在住の女性だった。納得。調べてみたら作者の小手鞠るいはずいぶんたくさん恋愛小説を書いているベテラン。賞も色々と取っている。しかし何だろう。毒がない。
話的には決して優等生ではない。むしろかなりぶっ飛んでいる。でもぶっ飛び具合も何だかオシャレなのだ。不倫の話なんかも書いているみたいなので決して毒のない人ではないと思うのだが。
さっぱりさばさば、思い悩んだりしない、でも最近ウジウジしちゃう、ええい、らしくないぞ!ワタシ!みたいな娘。
しっかり自立した大人の女でありながら旦那にはしっかり甘えて意味ありげな過去も持つ、大人カワイイ的母親。
ドジっ子に見せかけてしっかり者、妻と娘の行動を知ってか知らずかのろけまくりで包容力満点の父親。そして憧れのあの人。
ここまでそろうと少女漫画の世界だ。いや、少女漫画を一歩卒業したコバルト文庫、という感じか。娘世代、母親世代の理想を詰め込んだような世界で、どうもリアリティがない。
モデルルームのような感じ? モデルルームはきれいだけど生活感が感じられず、なーんか現実味がない、みたいな。
いや、面白いのだ。日記だって、途中であれ?っと思い読み返して納得だし、流れに緩急があり、特に最後の娘の発想は好きだ。でも何だろう。やはり毒がなく、キレイキレイなのだ。
もちろんそれが良いという人はいるだろうが、食べ物でもお話でもアクが強いのが好きな人間には物足りなく感じてしまう。
今回の話は青春恋愛小説なので良い。この人の他の話はどうなのだろう。不倫を題材にしてもこんなにキレイキレイで、主人公にとって都合の良い話が続くのだろうか。それとも話に合わせドロッドロに毒々しい話を書くのだろうか。
まあ僕みたいに屈折したおっさんでなく、さわやかな青春恋愛小説が好みの人には非常に良い本だ。
↓脳トレに弱いです。
↓次男も昔はキレイ好きだったんだけど……。
↓たまには難しすぎる本を読むのも良い。よく眠れるし。





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