*「晴耕雨読その他いろいろ」2023/5/12投稿記事の修正転載です
「カンガルー日和 村上 春樹」そのものがとんがり焼き(2023/5/12)
ストーリーが村上春樹でテーマが村上春樹。キャラクターが村上春樹。それ以外に表現のしようなくね?

とんがりサイド
最初にことわっておきたいが以前に読んだことがあるのを忘れて借りてきたのではない。表題作の他いくつかは「初めての文学」で読んだことがあるが知らないのも多かったので借りた。
と、とりあえず言い訳しておいて、やっぱり気になるのが「とんがり焼き」。それ以外の話ももちろん気になる。あ、そういうことなのか、なんてしばらく読んでわかったりわからなかったり。その加減が絶妙。明示しすぎも興ざめだしほのめかしが淡くても素通りだし。
とんがり焼きはわかりやすい話であって、おそらく実体験っぽいところが魅力。どうしてそうなったのかこれはとても興味があるところだ。
とんがりサイドは伝統ある大勢力であって斜陽族な自覚は持っている。新商品を募集するくらいだし。でもとんがり鴉は大事だし、なんか大仰だし、どこまで本気なんだか。これは今まで何度あったことだろう。
テレビに対する映画しかり、ネットに対するテレビしかり、だいたいこんな感じなんだと思う。座して死ぬか、じたばたするか、難しいところじゃね?
これらは大きなくくりだけでなく小さなくくりでも起きている。昔々は手書き原稿しかなく、小説を書こうと思う人はかなりレアだったはずだ。ワープロの登場で人口が多くなり、パソコンが普及してさらに増えた。ケータイ小説なんてのもあったよね。
そのたびに大衆化が進みとんがり鴉様が大騒ぎ、亡くなった鴉も多いのでは。そうやってだんだん同化していく。いまや村上春樹を目にして騒ぐ鴉もいないだろう。
ちょっと前までとんがりサイドが騒いでいたのはライトノベル。なんだけど最近では図書館でも普通の本棚に置いてあるよね。昔はヤングアダルトとかって別の場所に置いてあった気がする。今はAI小説? AIの力を借りて書きました! なんて言ったら鴉が騒ぎ出しそう。
たぶん昔もワープロはダメとか言う人いたんじゃね? 魂を込めるには手書き、とか簡単に修正できるから軽い、とか。それはひょっとして事実だったのかも。ワープロの台頭によって小説はすたれたのかもしれない。
こういうのって後にならないとわからない。もっと言えば後になってもわからないから恐ろしいよね。
反とんがりサイド
出来れば反とんがりサイドでいたい。たとえとんがりサイドに所属していても気持ちは反とんがりサイドでありたい。とんがりサイドに入れてもらえない僕が言っても笑っちゃう話だが、趣味である小説だけでなく、日常の生活から仕事にいたるまでの話でってことですよ。
大勢の中にあって、現状にふんぞり返る鴉ではありたくない。これで良いのだろうかと自問し、積極的に改善を模索する鴉でありたい。
たとえば親として。僕は子供たちに勉強しろと言う。勉強していい大学行っていい会社に入って真面目に働く。それが僕らの世代の知ってるやり方だ。
でも世界は変化している。それ一辺倒ではなく新しい道があるかも。そう思って、できればその道も示したくて、僕はいろいろと試してみるわけだ。
たとえばサラリーマンとして。先輩から教わった昔ながらの方法で毎日の仕事をおこなっている。それである程度結果を出せてお給料もらえるのだからOK。
なんだけど他に方法があるのでは? 新しい技術で、あるいは知らないだけの効率的な方法で、もっとやりやすくなるんじゃね? そんなことを考えるときがあります。
でもって話はお気に入りの脳トレにつながる。慣れ親しんだ知ってる道を脱して新しい道、より良くなる道を模索する。別視点から、疑問を持って能動的に過ごす。つまり反とんがりサイド⇒脳トレだ。
ということでこの本は脳トレ本だったんだよ! なんだってー! ……そうまでは言いませんけど、通じるものは大きいと思います。
さいわい僕が好む反とんがり精神と脳トレは同じ方角を向いている。その確信を抱きつつ、今日も楽しく迷走します。面白くて色々と考えさせられるとても良い本でした。
↓小人大好きだよね、ってジェミニと雑談してたらネタバレされた。
↓出来れば面白おかしい方向にカン違いしていたい。
↓ビールこそが不可欠要素なのでは。
↓恐ろしい戦略がある、……気がする。







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