『思い出トランプ 向田 邦子』そのものが獺祭図の産物

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/12/6投稿記事の修正転載です

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「思い出トランプ 向田 邦子」そのものが獺祭図の産物(2024/12/6)

ストーリーが人生いろいろで、テーマが獺祭図、キャラクターはちょっと変わった人。以前もそうかもだけど、かわうそと男眉が気になった。

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偉大なるコナン・ドイル

以前の僕はどんなことを考えたのか? 気になって昔の記事をチェックしました。めっちゃ絶賛しているけど納得。日常のちょっとした出来事&心の微妙なざわめきが印象深く書かれていて流石のひとこと。そこは変わらない。

これとは別に、今回気になったのは小説としてのスタイル。ここにも面白ポイントがあるんじゃね? 小説業界は不振らしいけどミステリーは好調な気がする。個人的意見としてはミステリーって面白くしやすい。

すべてはサー・アーサー・コナン・ドイルのお陰。もちろんミステリーだから事件がある。さらに変人であるシャーロック・ホームズと、凡人代表なワトソン君のコンビは物語を特異で劇的なものにする。

これはミステリー以外の小説にも応用可能で、気がつけばシャーロックスタイルってことも多い。おそらくもっと昔から有用な構成として認識されてたんじゃね? 正式な名称とかありそう。思い出トランプは同じことを純文学でやっていると見た。

ちょっと変わった人が出てきて、凡人である視点人物は波風に右往左往する。あんまり変人だと逆に面白くなさそう。波風が大きすぎて微妙な雰囲気を楽しめない。ちょっと変わった、身近にいそうな人が良い。

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獺祭図

ちょっと変わった人はどうやって集めるのか? これはもう日常的な観察でしょ。なんとなく向田邦子本人がかわうそな気がする。おそらく常日頃から変わった人を集めていたんだと思う。そうやっていたずら心満載で集めたあれこれが向田邦子のまわりにたくさん並ぶ。まさに獺祭図だ。

男眉の品評会も気になる。身勝手な酒飲み話が、獺祭図の中で集めたあれこれを選りすぐるかわうそに重なる。これは変人、これは凡人、と収拾した人物、言動、仕草、雰囲気など印象的な場面を仕分けする。大変だろうけどめっちゃ楽しい作業だと思う。

あとは抜群のセンスで変人と凡人を組み合わせればシャーロックスタイルな純文学作品が出来上がる。あれ? この人って直木賞作家だから純文学じゃない?

でも僕的にはテーマ重視の完全な純文学ってイメージ。そんな調子で、今日も内容と関係ないことを考えて満足。相変わらず面白くて勉強になる小説でした。

↓貧乏人限定の金持ち気分。

↓歴史は集めるまでもなく変な話ばっかり。

↓面白いあれこれを集めたいものです。

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