『オレたちバブル入行組 池井戸 潤』で倍返しだ!|蟲毒世界の基準

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/12/13投稿記事の修正転載です

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「オレたちバブル入行組 池井戸 潤」で倍返しだ!(2024/12/13)

ストーリーが半沢直樹で、テーマが蟲毒、キャラクターは半沢直樹。倍返しだ!って2ページに1回くらい言うのかと思ったら少なくてびっくり。

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スタイルあれこれ

最近の話を読もう第二段。でも週一で新刊買うのはキツイ。中古で安くて人気があって、というとイドジュンは外せない。驚いたことに読んだことないっぽい。ドラマ見てないのに堺雅人の顔しか思い浮かばない。

多分だけどこっちのほうが変人、こんな嫌なやつ中々いないんじゃね? 毒舌って紹介は伊達じゃない。ということでこの小説も立派な変人小説に分類される。ただしシャーロックスタイルではない。

変人と凡人の組み合わせはミステリーでなくとも王道の面白パターンだけど、この小説は違う。主人公が変人。どうやら主人公が変人の場合は三人称がしっくりくるらしい。たぶん変人すぎて一人称だと感情移入しづらいからじゃないかなー、って思ってる。

この話は変人主人公と別の王道パターンを組み合わせている。名付けてわくわく動物ランドスタイル。べつに動物ランドでなくても良いけど面白動物の面白生態、面白世界を紹介する番組。生き物地球紀行のほうが合ってる? ともかくそんな感じ。

そこには我々の知る世界と違った普通じゃないことがあったり、普通なことが微妙に違ったり、変な固有名詞があったりする。普通の人にとっては驚きの世界が広がる。SFなんかにこの面白さがよくあると思ってます。こんな変な環境でも人間はしぶとく生きてます、みたいな。

この小説の場合銀行っていう変な世界が舞台。全く知らない世界も良いけど微妙に知ってる世界は親しみやすさと驚きが混ざって面白い。カウンターの奥はこんな変な世界だったわけだ。勉強になるなぁ。……マジ?

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蟲毒

変人主人公が変な世界で悪戦苦闘する。その姿は蟲毒を思わせる。壷の中に毒虫をたくさん入れて、お互いを食べさせ最強の毒を作る。主人公も脇役も毒たっぷりですよ。だからこそ主人公は嫌なやつでなければならない。蟲毒に益虫とか良いイメージの虫は使うことができない。

半沢直樹は敵を容赦なく叩くし非合法な手段もいとわない。嫌なやつだからこそ面白い。多かれ少なかれ誰だってそうだよね。べつに銀行じゃなくても、政界、財界のドロドロじゃなくても。大人はたいていズルい。

この世界そのものが蟲毒なんだよ!とまで言うつもりはないけど、まあ蟲毒のショボい予選くらいでは十分あると思ってる。

我々庶民はでっかい毒虫に食べられる、か弱い毒虫だ。でももっとか弱い毒虫相手には粋がって噛みつくし、大勢集まれば強い毒虫にも牙をむく。もちろん襲われれば反撃もする。

じゃあ半沢直樹と他の毒虫の違いは何か? その一つが倍返しなんだと思う。でもこれはムズいよ。過剰防衛はさらなる仕返しを生むし。何を仕返しの対象とするか、どの程度仕返しするかは自分の裁量。仕返しの仕返しを覚悟の上で行動に出る必要もありそう。

ここには基準がなければならない。この基準こそが、半沢直樹と他を分けるポイントなんじゃね? 芯がなければ自分の欲望の赴くまま殺し合う、ただの毒虫でしかない。芯があればスカッと倍返しできる。

ということで世界は蟲毒でありそこで生きるには基準が必要。そんな勝手なことを考えました。今日も余計な妄想で満足。

↓半沢直樹に影響された子供に倍返しされたどうしよう。

↓作者本人が変人、ってのはある意味あるあるなのかも。

↓昔から悩みはあんまり変わんないっぽい。

↓ウサギのハードボイルドという奇抜な発想。

↓長いこと先を想像して選ぶのは超難しい。

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