『New me: 有手 窓 他6名』のヤバヤバ感がヤバい

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/12/27投稿記事の修正転載です

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「New me: ―文藝×monogatary.com小説集― 有手 窓 他6名」のヤバヤバ感がヤバい(2024/12/27)

ストーリーが自分探しアレコレでテーマが新しい自分、キャラクターは冴えない人。どうせイロモノでしょ?的に舐めてかかってました。サーセン。

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ヤバヤバ感

最近の本を読もうと思い立ってそろそろ一か月。会社帰りに紀伊国屋に寄ってこの本を発見しました。ホントは中古で安く済まそうと思ってたので、中古価格があまり下がってない出たばかりの小説、ってことで決めた。

【大賞発表‼】「文藝」×monogatary.comコラボ賞の大賞は「白山通り炎上の件」(有手窓・著)に決定!さらにYOASOBIによる楽曲化も発表! - monogatary.com
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Yoasobiとのコラボ、大賞は楽曲化、ってことで正に今っぽい趣向。僕が求める本にぴったり。ヨルシカ派なんだよねー、なんて言ってないで購入しました。同時に舐めてた。

応募総数879作で大賞以下7作、書籍化にしては倍率低くね? 開催期間が2023年8月から10月、メッチャ短くね? 上記の理由からあんまり大したことないんだろうなー、なんて漠然と思ってた。特に佳作の最後の方とか別の意味で凄そうだなー、なんて。

しかし、これが予想外に面白かった。大賞はもちろん、佳作も全部面白かった。はっきり言って、図書館で借りてくるプロの本よりも上かもしれない。テーマがしっかりあってそれを説明しすぎず言動で表す、ってのが僕のお気に入り。だいたいそんな感じでした。

「説明しない」は僕の最近の関心事項なのですよ。

図書館で適当に借りてくるとそうでもない本もある。しっかり選んで賞を取った有名な作家の本を借りてもイマイチだってことはある。テーマはあるけど、主人公が考えることに重きを置きすぎて言動を伴わない、話が進まずモノローグばっかってのは苦手。

もちろんそれでも上手い人は上手いし外さない人は外さない。けどまあプロだって常勝ではない。そういうパターンと比べるとこの本の方がよっぽど面白い。我ながら褒めてるんだかけなしてるんだかわからないけど。素直に褒めてます。

今までナンチャラ新人賞受賞作をたくさん読んできたけど、その中でもかなり面白い。7/879とも2か月とも思えない。もうこれは、ヤバいんじゃね? って冷や汗レベルだったりして。

ここまで考えると2つの可能性が挙がってくる。
①演出
②世の中思ったよりハイレベル

①はアレだ。事前に目星をつけて声をかけていたパターン。プロの別名義とか、どこかの賞で有望だったセミプロとかそういう人の良さげな作品。そんなことわざわざするか?っていう疑問以前に、この結論は僕にとってプラスにならない。なので①は却下。

ということで②に決定。世の中、僕が思っていたよりもずっとハイレベルだったわけだ。おそらく、鵜の目鷹の目で創作活動にいそしんでいた猛者たちがこの賞に応募したんじゃね? だからこそ面白い作品が集まった。これはもうヤバい。2つの意味でヤバい。

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オワコンな可能性

前述の通り、今まで見た新人賞の中でも安定感がある、……気がする。そこまで詳しくないけど。偶然面白い作品が集まった、で片付けるのは簡単だ。でもそれじゃあ思考停止と同じなので頑張って意味を求めると賞のコンセプトなのかもしれない。

そう考えると有名なナンチャラ新人賞よりもYoasobiコラボの方が面白い小説を集める能力が高いことになる。世の中の知名度で言ったら妥当な結果なのかもしれない。しかし、小説分野において新人賞がアーティストに敗北するのはホームグラウンドでの負けみたいで正直萎える。

さらにヤバいのがプロのイマイチ本よりもこの本の方が面白いって事実だ。小説に対する世の中の注目が高ければイマイチ本は出版されず、この本と同じような趣向の本がもっとたくさん出回るんじゃね?

実際そうでもないわけだから世の中大多数の人は小説なんてどうでもいいと思ってる可能性がある。今現在の人気者とのバーターでしか活動できない昔の大御所。誰かの手を借りなければ生きていけない絶滅危惧種。……そんなんじゃないよね?

それよりだったら、僕の面白い/イマイチの感覚がずれているってほうがありがたい。僕としては小説好きだからそんなこと考えたくない。考えたくないけど、危惧してしまうのですよ。小説はオワコンなのか?

そうじゃないよ、って言うなら小説にしかない利点を挙げる必要があるが、あんまり聞かないのが怖い。わりと有名な大御所が漠然とした主観を堂々と語ってたりもする。音楽や漫画、動画で同じ経験した人もいるよね、みたいに思う話でした。

でもまあ、そういうのはきっとプロの人がしっかり考えてるよね。などと今日も内容と関係ないことを考えしっかり自己満足しました。

もうひとつ面白かったのがたくさん読めたこと。この手の新人賞って多くても2つくらいしか陽の目を見ないイメージ。佳作まで含めて7つも読めたのはとても勉強になった気がする。そういう意味でもオススメ。

↓おどろおどろしい雰囲気が魅力。

↓いらない努力はしたくないけど見分けるのがムズイ。

↓大人にとっても家事は最強レベルの脳トレ。

↓今も昔も変わってないっぽい。

↓あの話の裏でこんなことがあったのか、って感じが面白い。

↓いろいろ雑多に置いてるけどたまに読んでくれてたかも。

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