『誰かが私を殺した 東野 圭吾』はゲームみたいな立場変化が面白い

02book-251011somebody 小説
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立場って難しいよね

ストーリーがデキる刑事もので、テーマが立場、キャラクターはデキる刑事。加賀恭一郎シリーズの最新作だそうだ。殺された主人公の視点が何度か変わって、ゲームみたいで面白い。このシステムを積極的に使ったら何かできそうじゃね?

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犯人が警察を甘く見過ぎ?

ちょっと前に読んだ『架空犯』もそうだったけど、犯人が警察を甘く見過ぎな予感。特に最近なんて防犯カメラだらけで、リレーすれば特定人物の足取りをかなり追えるのでは。ミステリー作家もやりづらい世の中ですなぁ。

『誰かが私を殺した』では犯人が興信所を使ってある事実を知り、それが犯行の動機となる。……興信所を使って調べられた情報なんだから、警察は余裕で調べ上げるんじゃね? そしたら当然自分に嫌疑がかかるって犯人は思わなかったの?

その発想に至らなかったほど犯人は動揺していた、って言ってしまえばそれまでだけど、ちょっと気になるのですよ。こういうの気になると小説を面白く楽しめなくなっていくから困るんだけど、気になるんだからしょうがない。なんとなく若桜木先生が頭をよぎる。

公募ガイドのコラム若桜木虔の作家デビュー裏技、教えます!が面白くて、全部読んで指摘されているダメポイントを全てエクセルに書きだしたことがある。そのうちのひとつ、「警察がバカマヌケ」ってのの変形バージョンな気がする。警察がバカマヌケって思われてる、みたいな?

あるいは鉄則として書かれていた「犯人含めて周囲がすべて有能、そのうえで主人公が優れている」に反する。反するって言ったって、僕ごときが若桜木先生コラムを持ち出して東野圭吾のダメ出しをしても鼻で笑っちゃう話なのだが。

ひとことで表すと「犯人が浅はか」ってことなのかもしれない。そんなに東野圭吾をたくさん読んでいるわけではないけど、『架空犯』に続き『誰かが私を殺した』がそうだったんだから、ひょっとしてわりと多いのかもしれない。それを差し引いても面白くて人気なのだから凄いけどね。

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新しい小説に期待

立場って難しいよね。僕だったらサラリーマンで父親。さらに細分化するとサラリーマンは先輩であり、部下であり、父親の方は厳しく注意する、フレンドリーに遊ぶ、とかそんな感じ。社長なんていったらもっと複雑だろう。

立場によって態度がバラバラだと困る。会社では弱気の昼行燈、家では俺様亭主、とかカッコ悪いよね。現代は逆パターンが多い? 周囲の人が知ったら変わり身に引くし、本人は精神的に不調をきたしそう。ここはやっぱりある程度首尾一貫したい。

それにしたって主人公はちょっと頑張り過ぎちゃった予感。良かれと思って頑張った結果の悲劇って超やるせない。もちろんそこに正解なんてないし、強くなければならない立場もわかるけど、弱みを見せても良かったのでは。

そんな感じでやっぱり立場ってものは興味深い。ということで立場=視点が変化するこの小説も興味深い。昔からあったよって言われればそうかもだけど、Audibleにすることで新しいことができるんじゃね? なんて期待するのですよ。

今のAudibleは紙媒体の小説を朗読しただけがメインであり、小説の範囲を出ない。『誰かが私を殺した』はラジオドラマみたいに演じられているから、小説から外へと少し冒険している。それでも既存品の応用。まだまだこんなもんじゃないよね。

Amazonやアメリカの出版社はもっといろいろ考えているだろう。せっかくネットとつながっているんだから可能性は無限に近い。紙媒体の良さを活かすなら今のままで十分だとしても、チャレンジ大好き、フロンティアスピリッツ溢れるアメリカ人が黙っているはずない。

例えば視点変更の設定を利用すれば、色々な人の立場を楽しめる。人気作にはスピンオフが多いけど、そちらへとスムーズに誘導できそう。面白さの面でも興味あるし、追加ダウンロードコンテンツとして収入アップも見込めるんじゃね?

あとは昔サウンドノベルってジャンルのゲームが流行ったけど、あれも簡単にできそう。個人的にはアレの良さがさっぱりわからないとしても、ワンチャンあるかも。何が流行るかわからない世の中だし、挑戦のコストはどんどん下がってるし。

などと色々余計なことを考えて満足。既存の考えにとらわれない、新しい小説の世界が広がってくれれば読む方にとってもありがたい。小説としても楽しめたし、新しい世界も垣間見れる良本でした。大したことじゃないけど、銃声軽すぎない?

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↓以前よりはアクティブに過ごしているけど、まだ覚醒が足りないっぽい。

↓絶対勝てない変人、っていうか競いたくないレベル。

↓おどろおどろしい雰囲気が魅力的。

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