「トゥデイズ 長嶋 有」が虚しい|真綿で首を締めるような絶望

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2025/3/15投稿記事の修正転載です

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「トゥデイズ 長嶋 有」が虚しい(2025/3/15)

ストーリーがありそうな日常でテーマが日常、キャラクターがいそうな家族。とっつきやすそうに見えて読む人を選ぶタイプです。

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……エッセイ?

珍しいタイプの小説だと思う。むしろ小説だと思わない方が良いかもしれない。途中からストーリー付きエッセイくらいの気分で読んで納得した感じです。

テーマ重視が純文学、ストーリー重視がエンターテイメント、テーマ全振りがエッセイ、ストーリー全振りがライトノベルだと勝手に思ってます。重視ってのがあいまいだけど7対3くらいのイメージ? やっぱりあいまいだけどそんな感じ。

この小説は一般的な純文学よりも、さらにテーマの割合が高い予感。だから小説として読むと違和感があり、エッセイに近いものとして読むと共感のオンパレードになる。加えて、扱っているのが愛とか友情とかの重めテーマではなく一般人の一般的な日常。だからストーリーは平凡になる。

相対的にますますテーマの割合が増えたんじゃね? 一般的な日常だからとっつきやすいんだけど何も起こらない。とっつきやすい⇒エンターテイメント、って思ってると何も起こらないから拍子抜けになる。

拍子抜けを避けるには発想の転換が必要になる。あるいは文章そのものを楽しむとか団地あるあるを楽しむとか。いずれにせよわりと人を選ぶ。純文学は読む人を選ぶ、って考えを聞いたことがあるけどまさにそうだよね。この本は明らかにそのタイプだと思う。

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果てしなく虚しい

エッセイだと思って読むとリアルで楽しめる。何より虚しい。子育ての共感含め考えさせられることが多い。たとえば子供がやる気あるのかどうかわからない、って話に共感したと思ったら、わりと大人もそんな感じに書かれてる。僕自身どうよ? なんて空恐ろしい。

坂道みたいなもんで色々あるけど何も起こらず、平凡に過ぎていく、みたいなイメージでたんたんと話が進む。そりゃそうなんだよ。有史以来、ほとんどの人間がそうだ。でも目の前に現実を突きつけられると真綿で首を絞められるような絶望を感じる。

ぶっちゃけ、後に載ってる短編の方が短いのにストーリーがある。若い人の恋愛の話でそれだってありきたりなんだけど読んだ感がある。これが意図して並べられているとしたらますます恐ろしい。

お前にはもう平凡で何も起こらない人生しか残されていないんだよ、って言われているみたいだ。そうはさせまいとして僕はあれこれ手を出す。しかしまあ現実的に言って、そんな人間が100人いても何かを起こせる人間は1人とかじゃね? 1000人に1人かもしれない。

残り99%越えの凡人は、平凡だったけど良い人生だった……、とか思って死んでいくわけだ。……良いんだよ。良いんだけど虚しい。以上はどう考えても妄想が過ぎると思う。なんだけど、軽い感じの文章とか表紙とかとの対比でもってともかく恐ろしい本だ。

そうはさせまいと意地を張っても相手はあまりにも巨大。もう絶望するしかない、そんな気分。今日もまた勝手に妄想が暴走して満足、でも恐ろしい。気合い入れて読む必要がある本です。

↓平凡の正反対みたいな本。

↓ループだとしても何とか良い方向に抜け出したい。

↓日常とはまた別のオカルト的恐ろしさが魅力。

↓なんでも自作したい人間⇒賢い貧乏人への道を行け!

↓固くて動かなくなる前に分解掃除がおススメ。

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