*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/12/20投稿記事の修正転載です
「べらぼうくん 万城目 学」が予想外で不思議(2024/12/20)
僕と同年代、一歳差らしい。著者は一発逆転大勝負に出て見事小説家になったわけで僕とは全く違うのだけど、色々と考えてしまうのだよ。

行動する観察者
最大の謎は著者の行動力だ。ひとつの事しかできない、とは言ってるけどずいぶん行動的。その辺りがかなり僕と異なる。最初の方に、いつだって攻めていたい、みたいな記述がある。そうはいっても、教室の後ろから観察しているタイプ、でもあるとか。
だいたい観察者ってのは動かない。対象が動くのに観察者まで動いたらわけわからなくなるでしょ、なんてまっとうな理由ではなく、観察は動かないことの言い訳だったりする。
観察=じっくりよく見る=見逃し三振、が多いイメージ。満を持しすぎて機を逸す、みたいな。気付いたときにはタイムアップで酔っ払って後輩にからみそう。オレはまだ書いてないけど小説書いたらすごいんだぞ! なんて言ってウザがられそう。
でも著者は行動した。無職で何年も書き続けたのだから行動力が凄まじい。その原動力を風のみに求めるのはあまりにも無茶な気がする。そもそも外国への旅行だって行動力のあらわれだ。さらに京大に入るのだって大変だったに違いない。
ただの観察者ではなく、行動して継続する。そこが普通の観察者と異なるところっぽい。読み進めていけば理由が書いてあるかなー、と思ったけど少なくとも僕には見付からなかった。あるとしたら、もっと子供の頃、育った環境とか出来事に関係してそう。
独りよがり禁止
特になるほどと思ったのが、独りよがりの話。それじゃあダメなのだよ。けどどうしようもない。わかっちゃいるけどやめらない世界。
まず、小説に限らず創作の源は自分が考える良いものを作りたい、じゃね? この小説面白かった! 後日談ってこんな感じかな? このゲーム楽しかった! でも、僕ならこうする。的なちょっとした追加とか改変がルーツな気がする。
するといつの間にか、こんなこと思いつくオレって面白いでしょ? オシャレでしょ? 奇抜でしょ? みたいにドヤ顔してしまう。ここまでくると完全に独りよがりで自己満足なわけだ。
独りよがりに付き合ってくれるのはファンだけであって、無名一般人の独りよがりなんて誰も目を向けない。ということで、独りよがりから始まり独りよがりを燃やし尽くさなければならない。御説まったくごもっともです。
問題はどこまで燃やすか、じゃね? オリジナリティーを燃やし尽くすと芯がなくなる。そのあたりのさじ加減が超絶難しい気がする。
ちょっと前に読んだ村上春樹で「説明しない」が気になった。これは独りよがりを防止し、かつオリジナリティーを損なわない有効テクな予感。
まあ結局、どこまでを説明し、どこから説明しないか、っていう同じような難問が出てくるんだけど、少なくともしゃべり過ぎ、独りよがり過ぎには陥らなさそう。
あと気になったのがウソ。そうか、ウソをつけば良いのか。ウソなら得意中の得意ですよ。半沢直樹みたいなワクワク動物ランドスタイル小説がある(と思ってる)。一般にあまりなじみのない世界で面白さを演出している。
残念ながら僕はこういう特異的な面白世界を知らない。そう思ってたんだけどウソつけばいいのか。異常な世界、異常なルールをでっち上げてしまえば、経験なしにワクワク動物ランドが書けるかもしれない。
などと今日も勝手に本の内容から妄想して満足。このブログ自体が独りよがりだからしょうがない。
↓昔も今も悩みは同じっぽい。
↓AIでも有り得ない独特な走り方ですな。
↓被害者、加害者が目まぐるしく移り変わって考えさせられる。
↓変な世界に変人を放り込んだらどうなるか?
↓今日も本を読んで夢が広がる。
↓皮肉大好きな人間におすすめ。人によってはガチギレ。












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