＊「晴耕雨読その他いろいろ」2024/9/6投稿記事の修正転載です
「自分の中に毒を持て 岡本 太郎」はアドラーと同じ（2024/9/6）
闘いとか勇ましいイメージがある本。それに対してアドラー心理学は一見すると大人しい感じ。それなのに書いてることは同じ。突き詰めていくとそういうものなのかも。
ダブルスタンダード
まことに勇ましいのだけど、ダブルスタンダードだと思う。だってそうでしょ？ 危険に賭けるんだよ？ 瞬間瞬間だよ？ どんだけ幸運でも普通は破滅する。
危険な賭けだとすると勝率はせめて半々なイメージ。瞬間はムズイとしても一日十回は賭けたとしよう。全部勝つ確率は千分の一くらい。毎日千分の一は無理ゲー。
勝率は高いけどダメージがデカいっていう意味の危険だったら？ 勝率99%だと一か月勝ち続ける確率が5%くらい、99.99%でも十年で3%になる。岡本太郎は84歳まで生きて大成功を収めている。……とんでもない幸運の持ち主？
いやいや、おそらくカラクリがあるのですよ。賭けは現実世界でおこなわれる。好きなことをやるため仕事を辞める、なんてマジで危険なものから変なヤツと思われるの覚悟で自分の意見を言うなんて軽いのまで様々なものがあるっぽい。
前者で失敗するとダメージでかい。死ぬまで行かないとしても生活は破綻する。後者のダメージはそうでもない。いずれにせよ、評価は精神的なものっぽい。現実世界における賭けの勝ち負けはどうでも良くて、賭けた瞬間に精神的な勝ちとなる。
危険な賭け、というといかにも勇ましいけど、賭けた瞬間に勝ち確定。ちょっと誤魔化しな気もする？ ただの蛮勇ではない、したたかな戦略だよね。こういう別次元的な思考を含めこの本はアドラー心理学に似ている。
好きなように読むから？
アドラー心理学では今この時間を大事にし、ダンスを踊るように生きろ、とある。この本では『瞬間瞬間』という言葉がよく出てくる。瞬間瞬間の闘い、瞬間瞬間危険に賭ける、とか。ダンスと闘いの違いはあるけど言ってることは同じだ。
アドラー以外でも脳トレを思い出したりする。たとえばこの本ではマイナスのほうの道を選ぶ。脳トレでは自分の脳に刺激のある＝負荷がかかる方に進む。やっぱり同じじゃね？ 個人的には迷ったら困難な方を心掛けたい。
ずっとそう思っているんだけどこれがやっぱり難しい。だって大変なのはやっぱり嫌だし。なので最近は刺激的なほうへ、ってのを念頭に置いているんだけど、闘いも面白いかもしれない。たしかにその方がワァーっと＆モリモリっと力が湧いてくるような気がする。
ちょっと前に読んだイスラム法の人の本にも似ている。あの本では『世界平和』よりも『世界征服』を進めていた。状態である『世界平和』よりも動作である『世界征服』のほうが具体的行動に結びつき易いから、って理解している。
この本では『幸福』よりも『歓喜』だ。状態よりも動作な点で似ている。さらに言うと、動作は点であり、瞬間瞬間の動作は線になる。そこらへんはやっぱりアドラー？などという感じでこれまで僕が読んだ自己啓発本と同じようなことが書いてある。
そう思ったんだけど、これって結局僕がそういうふうに読んでるからだよね。『人生』というテーマに対して岡本太郎とかアドラーとか脳トレとかイスラム法の人とかが別の方向から光を当てて、その結果見えてくる本質は同じ。
最初はそう思ってたんだけど『人生ってこんな感じじゃね？』っていう僕の中の勝手な考えを、読書を通じて再確認しているだけな気もする。結局僕フィルターを通すから、違うことが書いてあっても興味のある部分だけを都合の良いように解釈して読む。そんなイメージ？
そう考えると読書を通じて僕の中の漠然としたイメージが明確なものになっていくわけだ。これは中々楽しい。反面、せっかく新しい考えに触れても勝手に解釈するもんだからなかなか吸収できない、ということにもなる。こっちは残念だ。
これはもうどうしようもないのでただただ地道に進むしかなさそう。柔軟でなければならないけど、浮き草も困る。無意味と判断して行動しないのはもっと困る。ちょっとずつでも、ああでもないこうでもないを繰り返していけば、ウロチョロしながらもいずれどこかにたどり着くのかも。
そう考えれば、これはもうダンスであり瞬間瞬間の闘いだ。ひとつひとつの読書でもって右往左往しながら考え抜く。少しずつ自分を形成し、あるいは好ましい方向に進む。そんな感じがいいなぁ、と思いました。
考えさせられて、ためになりワァーっと力が湧く本。特にアドラー好きにおすすめだし、この本が好きな人はアドラー心理学を読むと良くね？ マジおすすめ。
↓思い切ってやめるのもまた闘い？
↓いい年して子供でい続けるのは確実に闘い。
↓パンデミックとの闘い、……は遠慮したいけど避けて通れなさそう。
↓当然キャンプも闘い。準備からしてすでに闘い。
↓ダイエットなんて明らかに闘い。
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