『何様 朝井 リョウ』でオレ様だよって思った|有史以来みんなそう

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/8/30投稿記事の修正転載です

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「何様 朝井 リョウ」でオレ様だよって思った(2024/8/30)

ストーリーが恋愛小説あれこれでテーマが何様、主人公は何者な人たち。一話目が面白かったのでマインドマップなしです!

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小説と似た悩みじゃね?

階段の話が特に面白かった。ああ、そういうことか、なんてなるほど納得な感じも良い。でもだとしたらこの後が気になる。などと思っていたら、そもそもこの短編自体が前作の前日譚らしい。てことはその後どうなったかが書かれているのかもしれない。気が向いたら読んでみます。

面白かったのは階段の話、あと逆算も好き。けどテーマ的には他のが気になった。特にむしゃくしゃと何様。むしゃくしゃに関しては小説的な悩みだと思う。自分の事なら順風満帆が良いけど、話を聞くなら波乱万丈が良い、みたいな感じ。

だからこそ小説は波乱万丈なわけだ。何もかもが余裕で上手くいく話は読んでてつまんないんじゃね? もはやノウハウ本的な? もしドラとか、ハウツー漫画とかそんな分野でしか許されなさそう。それにしたって多少は波風ないとお話としては成り立たなさそう。

インディージョーンズが通る扉は閉まりかけてなければダメ。通路を歩いていたら、後ろから岩が転がってこなければならない。トロッコに乗ったら線路が途切れてないと面白くない。もちろんこれは第三者として鑑賞するお話に限ったこと。

困難が自分に降りかかり、扉に挟まって圧死とか岩に潰されてぐちゃぐちゃとか、奈落の底に真っ逆さまとか絶対嫌だ。さらにここには揺らぎが関係する。ちょっとしたつまずきやどうしようもない不運がある。多少の揺らぎでも大丈夫なように余裕を持って行動したい。

扉は通れたけど腕がつぶれた、岩は避けたけど片足無くした、転落死は免れたけど後遺症に一生苦しむ。ぎりぎりだとこういうのもありそう。ということで自分、あるいは関係者なら余裕綽々クリアがありがたい。

これは非日常的な冒険の話ではなくあらゆる物事においてそうだと思う。だからこそ親は子供に良い子であって欲しい。本人だって志望校C判定よりA判定の方が安心でしょ? ここに当事者と第三者の意見の違いがある。自分事なら順風満帆、他人事なら波乱万丈を望む。

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喉元過ぎれば

面倒なことは、当事者でも過去を振り返る時には第三者になる、てのだよね。僕だって思うよ。学生のころバイトとかして、もっと色々遊べば良かったかなー、なんて。でもそんな第三者的意見を聞いたら、当時の僕は怒るだろう。

こっちは精一杯やってんだ! 部外者が何言ってんだ! とかそんな感じで。自分ですらそうなんだから、親なんかの関係者も同じ。ああすれば良かった、は後出しジャンケンであって、あの頃は無我夢中だったでしょ? ましてや無関係な第三者は好き放題言える。

もっと波乱万丈なほうが聞いてて面白いよ、って。そりゃそうだろ、他人事だし。しかし忘れちゃいけない。波乱万丈な成功者の陰には潰れたインディージョーンズの死体が山積みだってことを。ということで我々が目指すのは一か八かの波乱万丈ではない気がする。

べつに本人の勝手だから止めないけど、信長的な感じで博打は一生に一回で良くね? 理想としてはもっと堅実に積み重ねていきたい。冒険するとしても保険をかけ片足は安定させた状態で新たなことにチャレンジしたい。なんてことを考えて読みました。

何様に関してもあれこれ考えたけど長いので割愛。結論だけ言うと、有史以来みんなそうだったんだからオレ様で行くしかない。これに対して作者が提示しているのは僕とは正反対の言葉でした。今日もあれこれ余計なことを考えて良い自己満足でした。

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