『春、バーニーズで 吉田 修一』でオカマ成分充填|個人的最高傑作

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2024/2/16投稿記事の修正転載です

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「春、バーニーズで 吉田 修一」でオカマ成分充填(2024/2/16)

ストーリーがおしゃれ生活でテーマが過去あれこれで主人公が一昔前おしゃれ男子。そんなことどうでもよくなるくらい表題作に満足。

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山頂おにぎり気分

前の週に「ジャクソンひとり」を読んでさんざんオカマ成分が足りないと書いた。期せずして一緒に借りたのが吉田修一で絶対に期待を裏切らないだろうという確信があった。表題作はどうやら「最後の息子」の後の話っぽい。

何より出てくるオカマが素晴らしい。オカマってのは最近では蔑称らしいがそういうんじゃなくて素晴らしい。昭和のウェットな感じ。

何が違うかっていうと、強がるんだけど弱くて自分で弱さを知っている、でもしょうがない、みたいな感じ。だからちょっと突っ張ってもすぐに引いちゃう。そこがいい。登場人物全員そんな感じで、ひとことで言えば葛藤? それがある。

スイカに塩をかけたような深み。ただ甘いとか、ただしょっぱいととかでなくて感情に奥行きがある的な。まあ好みの問題かもだけど、僕は断然こっちがいい。これってひょっとしたら古い感覚? 今風で言ったら、弱さなんて見せずともかく突っ走ったほうが良いの?

だとしたら認めよう、僕は昭和の人間だ! ただし、僕がここまで面白く感じたのは直前に読んだ本の影響がある。さんざんオカマ成分に飢えていたので楽しめた部分は大きい。それこそ山登り後のおにぎりみたいに、僕はこの本を欲していて楽しめた。

そう考えると、本を読む順序ってのもかなり重要。今回の流れは奇跡的なレベルで良かった。逆に反対順で読んでたらそれはそれで思うところがあったのかもしれないけど。

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楽園も良いよね

オカマ成分を補充した僕にとってそのあと三作は普通に面白い止まり。べつに面白いから良いんだよ? 印象的な雰囲気に共感もしたよ? でも表題作が面白すぎたから比較するとどうしても劣る。などと思っていたら最後がまた良い。

何が良いって彼女が良いよね。一緒にいたら自分を引き出してくれそう。ひょっとしたら小説ってのはこういう感じなのかも。問いかけきて、最初はそうでもなくてもどんどん引き込まれる。気付いたら考えが広がってて共感できて、新しい発見もある。最高じゃね?

彼女じゃなくても良いからそばにいたら絶対面白い。彼女だったらもっと面白そう。一緒に毎日過ごせたら充実した人生になるに違いない。彼女の存在は魅力的なだけでなく、戦略的に素晴らしいと思う。

小説を読む人は少なからず小説が好きなわけだ。彼女が小説に似ているとすれば、読者が彼女に共感し興味を持つ可能性は高い。共感するしないは趣味の問題だが、読者が小説を読む以上共感する可能性が高いという戦略的な存在。

さらに自動販売機のシーンが良い。僕は彼女に共感した。でもそう思わない人もいるだろう。そこもちゃんとケアしつつ、しっかりと面白い。やっぱり戦略的な存在だ。

以上、吉田修一で何が好き? と言われたら「ひなた」だったが、今度から「春、バーニーズで」。あと「楽園」も良いよ、って言う。面白くて考えさせられる良本。マジおすすめ。

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↓この上ないレベルで納得できるタイトル。

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