「新芽 三本 雅彦」を読んで新人賞って大変だなぁと思った

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2019/4/26投稿記事の修正転載です

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2017年オール読物新人賞受賞作ですよ

ストーリーが明治転職物語で、テーマが変化への対応。

この話は2017年のオール読物新人賞受賞作ですよ。2018年受賞作の「母喰鳥 榛原 浩」もあわせて読みました。どちらもやっぱり上手だ。ちょっとした言葉遣いが印象に残り全体としてもドラマチック。図書館で適当にプロ作家の本を借りてくるのと遜色ないんじゃね?って思う。

考えてみれば新人賞受賞作ってのはその後の駆け出し作家の初期作品よりもレベルが高いのかもしれない。同じ人間が書いても面白さには多分バラツキがある。その中で面白い方に振れた話が受賞するのでは?

一方で小説家になったらある一定のレベルを常にキープしなければならない。たまたま良く出来た、じゃだめなのだ。それが出来なければ消えていくことになる。あぁ恐ろしい。

さらに難しいのが評価指針だ。よく偉い人のコメントとか見ると粗削りでも魅力がある作品を! みたいな言葉がある。でも色んな新人賞受賞作とか見ても、うひゃー!粗っぽいけど面白い! ってのは少ない気がする。逆に上手くまとまっててスゲーってのが多い。

もちろん受賞後編集者が付いて直しましたよ、ならわかる。でもそれってひょっとして一次選考の下読み段階で粗っぽいのが落とされてるんじゃね?なんて思ってしまうのだ。

そりゃそうだろう。最終選考で有名作家に読んでもらう。それって就活なら最終面接、それも社長が出てくるような特別なケースにあたる。その面接に粗っぽいけどキラリと光る、なんてのを推薦できる人事は少ない。社長相手の粗相ってことで良くて出世コース外し、下手すりゃ左遷降格もんだ。

ここで自分の感覚だなんて不明確な要因を持ってくるのはムズイ。学歴とか資格とかそういった誰が見ても理解しやすいメリットを持ってくるべきだ。外しても言い訳しやすいし。

ビビッと来たんですけどね、では、使えねー奴と評価される、有名大卒だったんですけどね、だと、じゃあしょうがないやと思われる。そういう安パイな根拠が欲しい。

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わずかなズレが生じる?

同じ理由で一次選考では最終選考に比べて厳しめに粗っぽいのが落とされてるのでは。誤字脱字、表現の重複、考証間違い、小説作法を守ってないなどなど。

するとそこにわずかなズレが生じる。一次では完成度が求められ、二次では粗削りでもOK! ともかく魅力ある作品を、となる。結局求められるのは完成度が高く魅力ある作品、パーフェクト超人だ。

まあしょうがない。賞なんだからパーフェクトを求めるのは当然。つまりそれって恋愛における外見と中身みたいなものか。最後は中身、って言ったって予選は外見なのだ。ということで僕が読む○○賞受賞作は基本パーフェクト超人。それでも名前を聞かなくなる人は多い。つくづく凄い世界だ。

↓落選⇒添削の道をたどったのは『その肉体の性能だということを忘れるな』って話。

↓何事も設計図が大切ですなぁ。

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↓日常に役立つちょっとしたDIYってのも良いよね。

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