*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/8/8投稿記事の修正転載です
悪采師 平茂 寛(2016/8/8)
・江戸時代のサイコロ賭博の話
・一話完結もの、かと思ったら違う
・またしても良い塩ラーメンに出会った気持ち
目次を見て一話完結ものかと思った。似たようなタイトルが並んでおり最後だけ意味深。ははあ、これはよくある一話完結だけど話の最後にちょっとずつ大きな謎が語られ最終話でその謎が明かされるってパターンだな。あの手の話は面白いのだがイマイチ乗り切れなかったりする。
しかし実際は全然違った。全部つながっており一気読み覚悟の必要がある本だ。むしろ章立ては別にいらなかったのでは?って感じ。まず設定が面白い。主人公はイカサマサイコロを作る職人。研究熱心であり腕は抜群。当然賭場の場面が多く、そこが重要なシーンだったりする。
賭場だなんて当たり前だが時代劇でしか知らない。そこであまり知らない賭場の事が細かく書かれ、張り詰めた雰囲気が描写される。何しろイカサマ前提の勝負ばかりだ。運を天に任せ、っていうのとはまた別の緊迫感がある。
で、そこに新旧やくざの勝負、成り上がりがからまり人情話でもある、っていう欲張りな作品。特に人情話の要素はかなり驚きの展開で面白い。
でも何でだろう。いやー、面白い本を読んだ!大満足!とならない。おそらく僕はオチが気に入らないのだろう。もちろん良い話なのだが、あー、やっぱりかー、となってしまう。これは趣味の問題でそれぞれだろうが。
あと結構淡白な面もあるのだ。じっくりしっかり描写しておきながらサクッと時間が経過したりサラッとしか書かれなかったりアッサリしてる。その落差にアレアレっと拍子抜けしてしまう。
さらにイカサマの仕掛けにちょっと疑問が……、出来るのかもしれないが、えー、ホントー?となってしまうのだ。細かく説明されればされるほど興ざめしてしまう。逆にこの辺りはサラッと触れる程度なら気にならなかったかも。
でもまあ何はともあれ面白いのだ。不遇な時代劇で面白いと塩ラーメンみたいだ、と思ってしまうのだがこの話も良い塩ラーメンでした。
一話完結で健全ならNHK時代劇の道があるが続き物でさらに賭博の話、もう完全な塩ラーメンだが、敢えてそれで行くってところにプライドを感じる。アクの強い話、時代劇好きって人におススメ。
↓時刻表記がそれっぽい。JRじゃなくて国鉄の雰囲気漂う。
↓現代の勝負師って言うとこっちかね?
↓一度読むとしばらく頭から離れなくなるから困る。





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