『グランドマンション 折原 一』は読者を騙す手法の集合住宅

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/7/13投稿記事の修正転載です

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グランドマンション 折原一(2016/7/13)

読者を騙す手法の集合住宅
・書いてるうちに愛着が出てきた?感じ
・面白いのだがこれだけ続くと疲れる

推理小説は犯人と探偵の頭脳勝負、が基本だろうが明らかに読者に挑戦してくるものもある。そりゃ読者は探偵と同様の手がかりを得て同じ土俵で考えていく、ってのがお約束だから読者と探偵の勝負は読者と作者の勝負でもある。

でも作者が意図的に読者を罠にはめる場合もありこの本が正にそうだ。というかこの本はそういった読者向け罠がたくさん並べられた見本市みたいな話である。マンションの話だから集合住宅と言うべきか。

それぞれの部屋には様々な罠が読者に挑戦するべく手ぐすね引いて待っているのだ。短編が集まった推理小説はたくさんあるだろうがその点では珍しいタイプでは。

一話完結なのだが舞台が同じだから登場人物が微妙にかぶる。最初は微妙だったのがその内かなりかぶるようになり書いてて愛着が出てきたのかな、という感じがする。

最初の頃の登場人物の扱いが記号的というかお話のための人物、無機質な人物って感じなのに後から出てくる人はやたら人間くさい。お話しありきの人物ではなく自然な印象を受ける。

こういうのって長く連載されている漫画でよくある。最初の頃と後の方で微妙に性格が違い生き生きとしているなぁ、等と思っていたら作者自身もそう感じていて途中から登場人物が自己主張を始めた、なんて言ってたりする。あの感じに似ている。

そんな感じで読んでて楽しくなってきたのだが同時に疲れても来た。挑戦状が明らかなものでついつい騙されないように気を付けてしまう。違和感のある表現が所々にありここで騙そうとしていますよ、的に匂わせているのか、結構わかりやすい。

もちろん読者を罠にはめる錯覚としては色々な手段が取られるのだが何となく匂わせてくれるので注意してしまうのだ。そうすると騙されないように読むことになり結構疲れる。一つ一つだとそうでもないのかもしれないが続けて読むと思いのほかツライ。

考えてみればこの手の罠は一つの話に多くて一つなのだからそれが短編集の中でここまで続くのは珍しい体験だ。ということでサクサク読めて珍しい体験ができる面白い本。ただし一気読みはキツイ。覚悟した方が良い。

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