『まっすぐ進め 石持 浅海』少ない論拠から仮定を楽しむタイプの話

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/6/16投稿記事の修正転載です

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まっすぐ進め 石持浅海(2016/6/16)

少ない論拠から仮定を楽しむ話
・イマイチ納得できない仮定も多々ある
・雰囲気の良い恋愛小説

たまに見かける、というかひょっとしたら昔ながらの推理小説よりも一般的になった?という気もするタイプのミステリー小説。謎が大したことない、答えが曖昧、というのがこのタイプの特徴か。

今も昔も推理小説の王道は殺人事件、これに盗みや誘拐が続く。こういった犯罪は誰が何と言おうが大罪だ。どんなに素晴らしいトリックの推理小説でも事件が信号無視や猥褻物陳列罪だとイマイチ盛り上がらない。

これに対して日常のちょっとした謎、ということで本人には大事だがはたから見ると大したことない話やまったく関係ない他人に対する違和感を扱う。

昔は推理小説と言ったら解は一つで厳密。真相+証拠=事件、だとしたら事件と証拠からたった一つの解を導く。少なくとも解が一つであるように作者は心がけ、細心の注意を払っていた、と思う。

曖昧ミステリの凄いところは真相+事実=謎、だとすると謎に対して提示される事実が不十分で解がたくさん存在すること。その中から最もそれっぽい解、あるいは物語として好ましい解が採用される。

さらに凄いのは謎を解く人間も、そしておそらく作者も解がたくさん存在し披露したのはあくまで仮説、と言い切ってしまう事。結局真相が明かされないことが多いが別にそんなのは作者の意のままなわけだからどうでも良い、しかしスッキリしない。

おそらく昔々の推理小説の世界ならば切腹物の一大事だろう。でもまあ時代は変わった。僕だって一字一句注意深く読んで犯人探し、だなんて長い事していない。

厳密な一つの解を求める狭義の推理小説と推理してれば良しとする広義の推理小説がある。そう思えば目くじらを立てるほどの事もないし新しいタイプの小説だと考えて読めばよい。僕も最初の頃は違和感があったが最近はそういう物だと思って読むようにしている。

要は仮説を妥当だと思えるか、気に入るか、だ。じゃあ僕はこの本の仮説をどう思ったか、というと微妙だと感じるものも多い。逆さまにすればよくね?とかそれが一般的な解釈じゃね?とか苦しんで欲しかったんじゃね?とか考えてしまう。

大抵この手の話は一般的であろう疑問をオンライヘルプのよくある質問さながらに示していたりする。探偵役以外の誰かの意見、という形で提示してその可能性はないな、と否定するパターンが多い。

僕の疑問はそういった解説にもなかったのでよっぽど初歩的なものだったのかもしれない。が、気になった。それ以外はワイン好きのイケメンと透明感のある美人のカップル、という如何にもなスタイル。雰囲気は良いのだよ。理屈っぽい二人の恋愛小説と思えば十分楽しめる。

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