『ピエロで行こう 中園 直樹』は文学的名作、になる要素を持った話

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/5/16投稿記事の修正転載です

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ピエロで行こう 中園直樹(2016/5/16)

・色々と雑
・描写少ない漫画的な小説
文学的名作、になる要素を持った話

一つ前に読んだ本が丁寧な感じだったのでこの本の文章、展開が余計雑に感じた。時間をかけてじっくりと、ではなくパッパッと書いたような。

伝えたいことがあったためそれを急いで色々と雑になってしまったのか、あるいは作者にとってつらい話であるためどうしても練り上げる事ができなかったのか、はたまた別の理由か、僕の読解力が足りないのか。何とも分からないが僕の印象としては書き急いでしまっている感じ。

ほぼ実話、とのことだがだとしたら随分すごい話だ。主人公の過去もそうだが小説のメインとなる話も尋常ではない。

そうは言っても描写が少ない、漫画的印象。最近たまに見かける例のタイプだ。実話だからしょうがないでしょ、ってことなのかもしれないが出会いから進展、最終局面に至るまで淡々としている。

それが真に迫って良いのだ、余計な描写とかいれたら話に緊迫感がなくなるでしょ!と感じるか
なーんか物足りないなぁ、と感じるか人それぞれ
だが僕は明らかに後者。

題材的には凄まじい話なのだから同じことを昔の文豪とかが経験して私小説にしたらとんでもない文学作品になっていたのでは、等と考えてしまう。

登場人物のちょっとした心の変化が描写されていたら、もっと丁寧に出来事が書かれていたら、不朽の名作になっていたのではないか。まあ作者は意図的にこのスタイルにしているのだろうが、人によってはもったいないと感じるだろう。

そんな感じで話的には救いようがない悲劇だ。悲劇の中で何をどう考えて立ち直るか、変わるか、という作者の考えが書かれており、それを伝えることが重要視されている。小説の形をとったメッセージ、とも取れる。だから描写とかどうでも良い、となったのでは。

個人的には、親的にはそうなってしまった後にどうしよう、も気になるがそうならないためにどうしよう、が最重要事項。古い発想の人間にとっては何とも変わった小説。

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