『大仏男 原 宏一』やってることの怪しさと努力のギャップが面白い

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*「晴耕雨読その他いろいろ」2016/4/17投稿記事の修正転載です

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大仏男 原宏一(2016/4/17)

・超面白かった
曖昧な境目の話
・終わり方は好きだが人それぞれかも

最近読んだ中でもトップレベルの面白さ。お笑い芸人→霊能力者に転職して大成功をおさめる、って話なのだがまずその発想が面白い。最初にお笑い芸人である設定は別に必要ではない。別にOLでもネズミ講の勧誘でもなんでも構わなかったと思うのだがお笑い芸人というのが良い。

世の中に本物の霊能力者がいたとしても偽物も多いだろう。本物か偽物かの見分けだなんて僕にはわからないし、ましてやテレビや雑誌を通してでは余計判断が付かない。でも見るからに怪しいだろう、っていう霊能力者とその信者の関係はお笑いじみていることが多い。

彼らもそう思ったからこそお笑いのネタとして扱ったのだろう。でもそれに真剣に取り組むこととなり勉強して技術を磨いてってあたりはやってることの怪しさと努力のギャップがおかしく、それこそお笑いの台本のようだ。

どこまでがお笑いでどこから霊能力者で、どこまでがいい加減でどこから真剣になったか、境目が曖昧でありそこが面白い。で、しかもインチキ霊能力者の技術の根幹がキャバクラ嬢と一緒だというのだ。そう言われてみると何だか似たような事をやっているように思えてくる。

違うのは方針だろうか。相手をだまそうとするインチキ霊能力者とお客さんの悩みを軽くしようとするキャバクラ嬢と。でもインチキ霊能力者の中にも霊能力こそないものの人の役に立とうとする人もいて、客を完全に食い物にしようとするキャバクラ嬢もいて。

だとすると境目は本当にわからなくなる。という話の筋と会話の技術的なところが面白くて、と書こうと思っていたのだがそれだけじゃなかった。途中からさらに怪しげな方向に話が進んでいくのだがこっちはオカルト的怪しさではなくリアルなやつ。

確かに超常現象的なものも怖い。あんなにしっかりして真面目だった人が突然変わってしまった、なんて話はよく聞く。でもオバケより怖いのは人間、っていう通り正気のまま冷徹に物事を進めていく人間ってのはやっぱり怖い。

そこら辺もしっかり考えられているがそれだけに最後は正直ちょっと微妙だ。ここまでしっかりしているのならもっと盛り上げる事ができたのでは、と考えてしまう。

まあそこがリアルと言えばリアルなのだが最後もうちょっと主人公たちがかかわって物事が解決するというのでも良かったのでは。もちろん読者の趣味で意見が別れる所だろうが。

華やかな芸能界と怪しげな霊能力業界、しかも主人公が若い女性で陰謀もあって、だなんて2時間ドラマとかにピッタリだろうが、その場合は最後がもうちょっと派手な脚本になるのだろうか、などと考えてしまう。ともかくしっかり面白い上に色々考えてしまう。とても楽しい本だった。

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