『達人山を下る 室住 光』ほど予想通り事が進む小説も珍しい

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「晴耕雨読その他いろいろ」2016/2/13投稿記事の修正転載です

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達人山を下る 室住光(2016/2/13)

これほど予想通り事が進む小説も珍しい。水戸黄門並みの安定感である。あまりにも予想通り過ぎて感想が書きにくい。ちょっとでも情報を書こうものならオチまでわかってしまいそうな勢いである。でも書く。そもそも誰も見てないし。

達人は武術を使う。戦場で武器を持った相手や、多対一で戦う事を想定した古流柔術だそうだ。そして相手は怪しい新興宗教である。強引に信者を増やし力を付けていく教祖と指示を受ければ暴力もいとわない狂信者達。

こんな組み合わせなら血で血を洗うバイオレンス、とか凄まじい技の数々&常人離れした身体能力、とかの展開になりそうだが、この達人が使う武術はリアリティが薄い。たまにネットで合気道の達人、とかの動画が転がってたりするがあんな感じである。

真偽はさておきたとえ実際に目にしたってにわかには信じられないタイプの技。一般人が普通に知ってる物理現象、こう動いたらこうなる、的な常識を超越し敵を投げ飛ばしたり押さえつけたりする。さらに達人はツボを突いて相手を全く動けなくしたりできる。

僕はオカルトが好きなのでこの手の「気」とかの話題は大好物である。ただし達人が強すぎてお話的にはどうなのだろうと思ってしまう。

達人も強いが敵が結構ノンキ。いくつかの集団が出てくるが基本的にどこか抜けてる連中ばかりであり、常に緊張感は薄い。ここら辺の安心して見ていられる感は仮面ライダーや戦隊ものに通じる。

こんな要素の中、お話は完全な一本調子で進む。まったく何のブレもなく、一歩一歩着実に勧善懲悪を貫く。この間別の本の感想で予定調和とか書いたが、この本の場合一本道なので調和も何もない。ただただ、驚きの安定感でゴールに向かって進む。

しかしこの本の面白いところは最後の方との対比にある。最初は非現実的な要素を持ったノンキな面白話だが最後の方は超現実的になる。しかも徐々に変わるのではなく、ガラリと変わる。まあ世の中そんなもんだよね、しょうがないよね、という大人的なあきらめの雰囲気が漂う。

おそらく最初の雰囲気が好きな人は最後の方のあきらめ感が気に入らないだろう。あまりに現実的で何だかスッキリしないし。逆に最後の方に強く共感できる人間は最初の荒唐無稽さが気に入らないだろう。

水戸黄門が好きな人にはお勧め。ちょっとモニョモニョ感をともなうが面白くて興味深い話である。

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